生殖生長期におけるファレノプシスの葉の水浸出液の簡易栄養診断基準値

タイトル 生殖生長期におけるファレノプシスの葉の水浸出液の簡易栄養診断基準値
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 ファレノプシスの開花時の生理障害をなくし、小花数10輪程度の株を生産するには、生殖生長期の葉の水浸出液中無機成分濃度を硝酸態窒素が0ppm、アンモニア態窒素が10~25ppm、リン酸が25~50ppm、カリが500~1000ppmで管理する。また栄養生長期から生殖生長期に移行する際、リン酸・カリの施肥濃度を高める必要はない。
背景・ねらい 栃木県内のファレノプシス生産現場では、過剰施肥が主要因として考えられる開花遅延、奇形花等の生理障害が発生し、安定生産の妨げとなっている。また、栄養生長期から生殖生長期に移行する際に、リン酸・カリ濃度を高める等の施肥管理が根拠なく実施されている。そこで、ファレノプシスの生理にあった施肥管理を実現するために、簡易栄養診断をもとに生殖生長期における簡易栄養診断基準値を作成する。
成果の内容・特徴
  1. 生育・開花状況から生殖生長期における施肥濃度は窒素25ppm-リン酸12.5ppm-カリ25ppmが良好である。この1/2の濃度では花茎及び花蕾が順調に発達せず、花茎長、花茎の節数、小花数が小さく、葉も黄化するなど生育が劣る。また、2倍の濃度では開花期が遅れる(表1、表2)。
  2. 窒素25ppm-リン酸12.5ppm-カリ25ppmの施肥濃度を上回ると、リン酸、カリの花茎中濃度に差がみられないものの、生育が進むにつれ、葉中、排出液中濃度が高まる。したがって、生殖生長期に移行する際に、リン酸、カリの施肥濃度を高める必要はない。また、窒素の施肥濃度が高い場合、葉・花茎中濃度に差がみられないものの、リン酸、カリ同様、排出液中濃度が高まるため、25ppmを適正施肥濃度とする(図1、図2、図3、図4)。
  3. 生殖生長期におけるファレノプシスの最上位完全展開葉の水浸出液(2mm厚の切片を0.2gはかり、2mlの蒸留水を加えて水浸出したもの)中無機成分濃度は、硝酸態窒素が0ppm、アンモニア態窒素が10~25ppm、リン酸が25~50ppm、カリが500~1000ppm、カルシウムが500~1000ppm、マグネシウムが50~100ppmの範囲が適当である(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. クリプトモス培地+硬質ポリポット、樋-ひも底面給水による液肥常時供給の条件下での検討である。提示した施肥濃度は目安なので、定期的に簡易栄養診断を行い、その結果と培地・鉢条件をふまえた上で調整する。
図表1 216093-1.gif
図表2 216093-2.gif
図表3 216093-3.gif
図表4 216093-4.gif
図表5 216093-5.gif
図表6 216093-6.gif
図表7 216093-7.gif
カテゴリ 栄養診断 くり 生理障害 施肥

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる