タイトル |
うどんこ病耐病性サルスベリ新品種「ディア |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
サルスベリの新品種「ディア ルージュ」「ディア パープル」はうどんこ病耐病性を有し、花の形質にも優れ観賞性が高い。「ディア ルージュ」は鮮紅花色が、「ディアパープル」は紫花色が特徴で、どちらの品種も露地栽培ではうどんこ病の防除は必要ない。
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背景・ねらい |
サルスベリは夏を彩る花木として古くから親しまれ、近年は庭園樹以外に街路樹としての利用も増えている。しかし、現在流通利用されているサルスベリの多くはうどんこ病に弱いインディカ種の園芸品種である。そこでうどんこ病に耐病性を有し観賞性の高いサルスベリ品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
1990年ヤクシマサルスベリとサルスベリの種間交雑の園芸品種を片親に、33組み合わせの交雑を行い、実生4506個体を得た。'94年までにうどんこ病罹病程度を中心に506個体を1次選抜した。95~96年に開花日、花色等花の形質を中心に調査を行い62個体を2次選抜した。97~98年に種苗分類特性調査報告書に基づき、特性調査と最終選抜を行い、うどんこ病に強く花の形質等に優れた2系統を選抜した(表1)。
- 「ディア ルージュ」の特性(表2)
1)うどんこ病に対し耐病性があり、通常の露地栽培ではうどんこ病防除の必要はない。 2)花色は濃赤でこれまでの赤色花系品種にはない鮮やかな濃い赤色花である。 3)小花の大きさはヤクシマサルスベリの種間交雑品種の中では大きい。 4)個々の花房はあまり大きくないが、蕾色が光沢のある赤褐色で蕾のうちから目立つ。 5)樹形は立ち性、樹勢は中庸、開花はじめは7月上中旬で比較的早く、開花期間も長い。
- 「ディア パープル」の特性(表2)
1)うどんこ病に対し耐病性があり、通常の露地栽培ではうどんこ病防除の必要はない。 2)花色は明赤味紫で、うどんこ病耐病性の品種群の中では最も濃い紫花色である。 3)小花の大きさはヤクシマサルスベリの種間交雑品種の中では大きい。 4)花房の大きさは中庸であるが、側枝にも花芽が良く分化し、樹冠全体に開花する。 5)樹形は立ち性、樹勢は強く、開花はじめは7月上中旬で比較的早く、開花期間も長い。
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成果の活用面・留意点 |
- 2品種とも種苗法に基づく品種登録出願を行っている。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
新品種
品種
防除
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