古紙を原料とする園芸用ポットの利用

タイトル 古紙を原料とする園芸用ポットの利用
担当機関 東京都農業試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者
発行年度 1999
要約 リサイクル資源の再利用による古紙ポットは、重量が48gと軽く、サルビアを使った栽培ではポリ鉢、プラ鉢と比較して生育が遅れるものの、比較的しまった株にできる。鉢用土の水分減少は、灌水後2日間で著しいが、その後はほぼ同等の減り方をし、地温は素焼鉢よりも高く推移する。
背景・ねらい 東京都は、都政の重要課題政策として、リサイクル資源の再利用を進める循環型社会づくりに取り組んでいる。これを受けて、農業分野では、廃棄プラスチック類等の軽減対策の一環として、新聞紙等を原料とする古紙ポットの利用化を検討してきている。このたび、都下自治体が中心となって民間企業との共同研究を実施し、強度、耐久性などの品質を兼ね備えた古紙ポットが製品化されたので、プラスチック製に変わる園芸用品として利用化を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 古紙ポットは、外径11.5cm、内径10.6cm、高さ9cmの大きさで、ポリ鉢3.5号とほぼ同じサイズである。鉢色は、花色や葉色に適する灰茶色を呈し、肉厚は鉢に強度を持たせるために3.5mmとやや厚いが、重量は48gと比較的軽い(表1)。
  2. サルビアを供試した古紙ポット栽培は、ポリ鉢、プラ鉢、素焼鉢よりも草丈、株張りなどが劣るものの、葉長、茎径、節数、分枝数は同等以上で、比較的しまった株になる(表2)。
  3. パンジーを供試した古紙ポットでの灌水法比較栽培では、上部給水に対して底面給水(エブ&フロー方式)による灌水管理が生育、花・葉の大きさ、生体重とも優れる(表3)。
  4. 鉢用土の地温は、ポリ鉢、プラ鉢よりも低下するものの、素焼鉢よりも高く推移する(図1)。また、鉢用土の水分減少は、灌水後2日間で著しいものの、その後はポリ鉢、プラ鉢とほぼ同等の減り方をする(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 40日以上の底面給水栽培は、古紙ポットの鉢底を弱め、著しい場合は底を崩壊させるので注意する。また、栽培環境によっては、鉢表面にカビを発生することがある。
  2. 古紙ポットは、18円~25円の小売り単価で販売中、従来の類似品に比べて安価である。
図表1 216101-1.gif
図表2 216101-2.gif
図表3 216101-3.gif
図表4 216101-4.gif
図表5 216101-5.gif
カテゴリ サルビア パンジー 水管理

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