タイトル |
多回育養蚕農家における核多角体病汚染拡大への対応ポイント |
担当機関 |
栃木県蚕業センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
多回育農家では上蔟収繭作業に伴い施設の内外が核多角体病(NPV)に汚染し蚕期を重ねる毎に汚染程度が高くなることから、施設の消毒および作業の分担と併せて作業経路の汚染程度の把握とその防疫対策が重要である。
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背景・ねらい |
多回育農家においては、常時いずれかの施設を使用しているため消毒は個々の蚕室毎に限定し実施している。そこで健全蚕生産のための環境管理を実現するために、塵埃からの迅速な汚染診断が可能なPCRを用いた診断法により、病原伝搬防止の管理ポイントを明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 上蔟室や消毒の不完全な蚕具が汚染源となって、春Iの壮蚕室(5齢)にNPVが伝搬され、更に上蔟・後片付け・収繭作業に伴い、施設全体に汚染が拡大する。このため、飼育中の春IIの中蚕室も再汚染し春Iと同様の結果となり、初秋Iでは更に汚染程度の高い飼育環境に至る(表1、図1)。
- 中蚕室・壮蚕室別に消毒を実施しており、消毒直後NPVが検出されていないものの通路部の汚染により、作業者の入室とともに急速な再汚染が見られる(表1)。
- 塵埃による汚染拡大と同様に、選除繭歩合も蚕期を重ねる毎に増加する(表2)。
- 消毒後の蚕室内の再汚染防止のためには、作業の分担と併せて作業経路の防疫対策が重要である。
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成果の活用面・留意点 |
- 蚕期前の上蔟室・蚕具類の徹底した消毒が汚染水準を低下させる前提である。
- 個々の農家施設の配置に応じた効率的なNPVのサンプリングを検討する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カイコ
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