肉用牛肥育農家における混合飼料(TMR)共同調製施設利用の経営的評価

タイトル 肉用牛肥育農家における混合飼料(TMR)共同調製施設利用の経営的評価
担当機関 神奈川県畜産研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1999
要約 肉用牛肥育農家が共同で、地域飼料資源を有効に取り入れたTMR調製施設を運営し、各自の飼料調製作業を省力化するとともに、飼料費の削減を実現している。TMR飼料をベースとした肥育技術のノウハウの共有で、枝肉格付け、枝肉単価等の成績が共同前に比べて向上した。
背景・ねらい 肉用牛肥育農家が共同でTMR調製施設を運営している事例を調査し、地域飼料資源有効利用と低コスト生産、肉質向上等の関連を明らかにし、今後の畜産経営の効率化の資料とする。
成果の内容・特徴
  1. 組合の概要:距離的に近い5戸の農家が地域飼料資源を利用した、共同のTMR調製施設を作り、組合を設立し運営している。(表1)
  2. 飼料調製と作業関係:TMRは1日おきに2日分調製する。TMRの単価は市場価格に影響はされるが、無料のトウフ粕や安価に入手できる自衛隊の米飯(手つかずの残余)等の地域飼料資源を取り入れることにより、安く調製している。(表2)TMRの調製、運搬は各約2時間半(表3)を要しているが、調製・運搬の出役作業は1.5~4.4回/月(組合員が交代で行う)であるため、各自の出役日以外の飼料調理時間の労力・時間が省力化された。
  3. 枝肉出荷成績 :出荷頭数の63%が和牛で、その成績を共同調製が始まった平成6年を境に、共同調製前の3~5年と、共同調製後の7~10年に分けて枝肉格付け枝肉単価を比較すると(表4)、各項目とも共同調製後の成績が伸びている。また、共同後の枝肉単価は市場平均単価を上回っている。
  4. 共同により、肥育技術の優れた組合員の飼料設計でTMRを調製したこと、当該飼料をベースとした肥育技術のノウハウを共有できたことが肥育成績向上の要因である。
成果の活用面・留意点 ある程度組合員数が多いと、出役回数が少なくて済む。事前の調製、運営の将来の見通しを十分協議する必要がある。
図表1 216134-1.gif
図表2 216134-2.gif
図表3 216134-3.gif
図表4 216134-4.gif
カテゴリ 経営管理 出荷調整 省力化 飼料設計 低コスト 肉牛

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