タイトル |
グラウンドカバープランツに発生する病害 |
担当機関 |
東京都農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
グラウンドカバープランツの生産圃場において発生病害を調査し,病原体の究明を行った。その結果,36種植物に,新病害31を含む59病害の発生を確認し,特に多犯性病原菌による病害が主な生産阻害要因となっていることが明らかとなった。
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背景・ねらい |
緑化ニーズの高い東京都では,グラウンドカバープランツの生産・植栽が盛んであり,先駆的に多種の品目が導入されている。生産圃場では,同一の植物を一時期に数万~数十万鉢も栽培管理するため,病気が発生すると大きな被害が生じやすい。また発生病害の情報が少ないマイナーな作目が多く,病害発生時に生産者や技術者が迅速・適切に対応できない。そこで,生産圃場に発生するグラウンドカバープランツの病害について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 調査方法
1992~98年に月1回程度,生産圃場を中心にグラウンドカバープランツの病害の発生状況・病徴を記録した。罹病植物を採集し,常法により病原菌の分離同定を行うとともに,本邦未記録病害については,接種による病徴の再現を行い,病名を付した。
- 調査結果
(1)グラウンドカバープランツ24科36種に合計59病害の発生を確認した(表1)。これらのうち,26病害については,新病害として病名を登録した。また5病害についても新たに病名提案を行う予定である。 (2)多犯性の病原菌による疫病,くもの巣病および白絹病は,いずれも過密管理の生産圃場では最も問題となる病害で,過灌水,換気不良などの多湿条件下で発生すると進展が速く,大きな被害を生じた。炭疽病は品質を損ない,多発すると出荷が不能となった。特定の植物に発生する病害としては,ヒペリカム・カリシナムさび病,フッキソウ紅粒茎枯病,ヘデラ斑点細菌病などの被害が大きく,多発すると防除が困難であった。
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成果の活用面・留意点 |
- 健全株・健全穂木の確保,過湿回避,病株の迅速な撤去を主眼とした防除指導により高品質管理が可能となる。
- 本成果は全国のグラウンドカバープランツ生産地および植栽地で活用できる。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
栽培技術
出荷調整
炭疽病
ヒペリカム
防除
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