コンニャク根腐病菌のメタラキシル耐性検定法の確立と耐性菌の出現

タイトル コンニャク根腐病菌のメタラキシル耐性検定法の確立と耐性菌の出現
担当機関 群馬県農業試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 コンニャク根腐病の主要防除薬剤であるメタラキシル剤の防除効果が低下する事例が発生し、その原因として耐性菌の出現が確認された。また、感受性の検定方法として、V-8ジュース寒天培地に接種菌株を置床する方法よりも接種菌株(含菌寒天ディスク)を直接薬液に浸漬したまま判定する方法が有効である。
背景・ねらい コンニャク根腐病の防除対策として、メタラキシル剤の土壌処理が広く実施されている。しかし、1994年に、コンニャク根腐病に対するメタラキシル剤の効果低下を訴える農家が現れた。さらに1995年以降、コンニャク根腐病は急激に発生面積が増加した。そこで、現地の発病株より分離したコンニャク根腐病菌のメタラキシル感受性を調査するとともに、その防除効果の差異を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. メタラキシルが所定の段階濃度になるように調製したV-8ジュース寒天平板培地(V-8ジュース50ml、寒天20g/L)に、直径5mmの含菌寒天ディスクを置床し、25℃で1日間培養後、菌叢直径を計測し、感受性値としてEC50求める方法では、菌株間に感受性の差異が認められない(表1)。
  2. 殺菌水にメタラキシルを段階濃度で溶解した薬液を調製し、24孔マイクロプレートの1孔当たり1.5mlを分注し、直径5mmの含菌寒天ディスクを直接浸漬し、そのままの状態で25℃で1日間培養後、菌糸生育を観察する検定方法において、感受性値(MIC)が1ppmの菌株と64ppmを越える菌株が検出され、菌株による感受性に差異が認められる(表1)。
  3. メタラキシルに対する感受性値(MIC)の異なる菌株について、メタラキシル剤の防除効果は、MIC値が1ppmの菌株では、高い防除効果が得られるのに対し、MIC値が64ppmを越える菌株では、防除効果が認められない(表2)。
  4. 以上のことから、メタラキシル耐性菌の出現が確認された。供試菌株の分離年から1995年には既に耐性菌が出現していたと考えられる。また、コンニャク根腐病菌のメタラキシルに対する耐性検定法として薬液に浸漬する方法が有効である。
成果の活用面・留意点
  1. 容易に判定できる感受性検定方法の改良が必要である。
  2. 耐性菌の発生分布について調査する必要がある。
図表1 216150-1.gif
図表2 216150-2.gif
カテゴリ 病害虫 こんにゃく 耐性菌 土壌処理 根腐病 防除 薬剤

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