シロイチモジヨトウ交信攪乱剤利用によるハスモンヨトウの防除

タイトル シロイチモジヨトウ交信攪乱剤利用によるハスモンヨトウの防除
担当機関 埼玉県園芸試験場
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 シロイチモジヨトウ用の交信攪乱剤(ビートアーミルア剤)は、サトイモのハスモンヨトウに対しても有効である。
背景・ねらい 野菜類では複数の害虫が問題になるが、交信攪乱剤の多くは、単一のターゲットだけにしか効果がない。そうした欠点を補うために複数の害虫を対象にした製剤が果樹を中心に市販されているものの、野菜では少ない。そこで、シロイチモジヨトウ用交信攪乱剤(ビートアーミルア剤)を用いて、有効成分の一部が共通であるハスモンヨトウの同時防除を試みた。
成果の内容・特徴
  1. 埼玉県吉川市のシロイチモジヨトウ交信攪乱剤処理区(処理面積約10ha:7月10日に10a当たり100本設置)において、ハスモンヨトウの誘引阻害効果(1999年4月~11月)、つなぎ雌による交信攪乱効果(8月4日及び9月6日実施)、サトイモ畑(50株以上のほ場)おける卵塊と幼虫コロニー数(9月22日)の調査などを行った。なお、対照として隣接する越谷市(無処理区)においても同様の調査を行った。
  2. シロイチモジヨトウ交信攪乱剤処理区のハスモンヨトウ雄成虫のフェロモントラップへの誘引数は、無処理区と比較して明らかに少なかった(図1)。
  3. つなぎ雌による交尾率は無処理区と比較して処理区の方が有意に低く、交信攪乱効果が認められた(表1)。
  4. サトイモ畑での卵塊及び幼虫コロニー数は、無処理区と比較して処理区の方が有意に低く、被害を半減できた(表2)。
  5. 以上のことから、シロイチモジヨトウ用交信攪乱剤(ビートアーミルア剤)はハスモンヨトウの交信攪乱剤としても有効で、シロイチモジヨトウと同時防除が可能であることが判った。
成果の活用面・留意点
  1. ハスモンヨトウ対象のリトルア剤は施設のシソにしか登録がなく、また、シロイチモジヨトウ対象のビートアーミルア剤は対象作物の範囲は広いもののシロイチモジヨトウにしか登録がない。埼玉県ではビートアーミルア剤の防除対象地域とハスモンヨトウ被害地域が重なる場合が多く、同時防除で有ればビートアーミルア剤をハスモンヨトウをも含めた防除剤として位置づけることが可能である。登録薬剤が少ない野菜類を加害するハスモンヨトウ防除手法の一つとして位置づけられるよう、データの蓄積が望まれる。
  2. 今回のフェロモン剤処理面積は10haと小さいためか、高密度になる9月中旬に誘引阻害効果が落ちてきている。より広い面積での処理とフェロモンの有効期間を考慮した試験の組立も必要と思われる。
図表1 216162-1.gif
図表2 216162-2.gif
図表3 216162-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 さといも しそ フェロモン 防除 薬剤

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