タイトル |
肥効調節型肥料を用いたポット施肥による露地ピーマンの全量基肥施肥法 |
担当機関 |
長野県南信農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ピーマン小苗の鉢上げ時に、本圃生育に必要な成分全量を肥効調節型肥料で育苗培土に混合し、育苗後定植するポット施肥法は、本圃の施肥を省略でき、なおかつ25%程度の窒素が減肥できる。
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背景・ねらい |
肥料の利用率を高めて減肥を達成するためには、局所施肥法や肥効調節型肥料を用いた施肥が有効である。施肥量の多い果菜類における減肥を目標に、省力的で新たな機械や設備投資を必要としない施肥法を露地ピーマンについて検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 初期溶出抑制型の被覆燐硝安加里を用いて、ピーマン小苗の鉢上げ時に本圃生育に必要な成分量を育苗培土と混合し通常の育苗を行う(図1)。この苗を土づくりした本圃へ定植すれば、本圃への施肥は省略でき、かつ減肥が達成できる。
- 育苗期間が長いので、肥効調節型肥料からの溶出が多少有り、苗の生育は旺盛~過剰になりやすい(図2)。そのため、育苗期間中に必要な育苗培土中の速効性窒素は、慣行量の3分の1程度に減量する。
- 定植後は根に近い場所から徐々に肥料成分が溶出するので肥料の利用率が高くなる。その結果、慣行窒素施肥量に対して25%減肥では同等以上の収量が得られた。また、50%減肥では気象や圃場条件により、同等の収量が得られる場合もあるが、減収する場合もあった。(図3,図4)
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成果の活用面・留意点 |
- 収穫予定期間に応じた緩効度(日数タイプ)の肥効調節型肥料を選択する。
- 育苗ポット当たりの施肥量が多すぎたり、小さいポットを用いた場合は培土の保水性が悪くなるので注意する。
- ピーマンは地力窒素の依存度が高いので、減肥率は土づくりや施肥の来歴等を勘案して決定する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
育苗
栽培技術
施肥
ピーマン
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