タイトル |
スイートコーン残渣鋤込み水田におけるメタン発生量の削減法 |
担当機関 |
山梨県総合農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
スイートコーン残渣鋤込み水田におけるメタン発生量は、スイートコーンの窒素施用量を25Kg/10aとし、残渣鋤込みから入水迄の期間を3日間以上おき、落水処理を行うことで1/4まで削減できる。
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背景・ねらい |
甲府盆地の平坦地域では、早出しスイートコーンと水稲の栽培体系による水田の高度利用によって収益性の増大が図られている。水稲はスイートコーン残渣を鋤込み、肥料は無施用で栽培されている。しかしスイートコーン収穫が6月中旬で、水稲移植が6月中下旬のため、新鮮な有機物が鋤込まれてから、短期間で移植しなければならない。そこで温室効果ガスの一因であるメタンの発生を調査した結果、スイートコーン残渣鋤込み水田のメタンの発生量は20~190(平均110)CH4g/m2・作であり、水稲単作水田の5~14CH4g/m2・作と比較し多かった。そこでスイートコーン残渣鋤込み水田におけるメタンの削減方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- スイートコーンの窒素施用量とメタンの発生量の間には正の相関が高い(図1)。これは、減肥に伴いスイートコーンの残渣が減少し、鋤込まれる炭素量が減少した結果と推測される。
- スイートコーン残渣鋤込み後、入水までの時期を3日以上おくことで、メタンの初期のピークは減少し(図表略)、全体の発生量は30~50%以下となる(表1)。これは入水までの畑期間中に低分子の糖が二酸化炭素として放出された結果、メタンの初期発生が抑制すると考えられる。
- 落水処理を行うことで、その後のメタンの発生が抑制される(図2)。
- 以上の削減法を栽培に取り入れることにより、メタンの発生量は慣行と比較し1/4まで削減される(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- スイートコーン窒素施肥量は、収量・品質を低下させずに25kgN/10aまで減肥できる。
- 上記の削減法は、スイートコーン残渣鋤込み水田おける水稲の倒伏や生育初期の立ち枯れ等の生育障害の改善にもなる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
栽培体系
水田
水稲
施肥
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