タイトル |
施肥適正化のためのいちじくのリアルタイム栄養診断技術 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
いちじくのコンテナ栽培において中段位葉柄中の硝酸、カリ濃度が最も施肥レベルに対応しており、最高収量区における濃度はどちらも概ね4,000~6,000ppmである。この基準は適正施肥法の判断材料となる。
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背景・ねらい |
県下のいちじく施設栽培は徐々に増加している。しかし、定植5~6年目から樹勢低下による収量、品質の低下が現地では大きな問題となっている。この改善策の一つとして、これまでの経験と勘を頼りにした肥培管理から好適樹体栄養の解明による適正肥培管理への転換が急務である。そこで、施設栽培いちじくの安定生産のため、リアルタイム栄養診断手法による適正施肥法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- コンテナ(50L)でいちじくを栽培(2年生樹、結果枝5本/樹、20段摘心)し、葉柄中硝酸濃度、葉中硝酸濃度、葉色の推移を調査した結果、施肥(燐加安N16g、IB化成N50g/樹・回)の影響を最もよく受けたのは葉柄中硝酸濃度であった(図1)。
- 施肥量を変えて(N,P2O5,K2O5とも5,10,15,20,25g/樹/月の5段階)栽培し、上段位(18~20段)、中段位(10段程度)、下段位(1~3段)葉柄中硝酸濃度の推移を調査した結果、硝酸濃度が施肥レベルと対応していたのは上段位と中段位であった。また、上段位の濃度が期間中徐々に高くなるのに対して、中段位では変動の巾が小さく安定していた(図2)。
- 最も高収量(10kg/樹)が得られた施肥量10g/樹・月区(N,P2O5,K2O510g/樹/月施用区)の中段位葉柄中硝酸濃度は4,000~6,000ppmで推移した。
- 同様に中段位葉柄中カリ濃度も施肥レベルと対応し、施肥量10g/樹・月区の濃度は4,000~6,000ppmで推移した(図3)。
- 以上の結果から中段葉柄中硝酸、カリ濃度を指標としてリアルタイム栄養診断が可能であると判断した。
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成果の活用面・留意点 |
- 追肥時期決定等の施肥管理に活用できる。
- 施設地床栽培、露地栽培へ適応するためには現地でのデータ蓄積が必要である。
- 葉柄採取の時間、気象、かん水により濃度が変化する可能性があるため更にデータを蓄積する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
いちじく
栄養診断
栽培技術
施設栽培
施肥
肥培管理
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