タイトル |
薬剤散布装置付き全自動移植機によるキャベツ定植作業 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
薬剤散布装置付き全自動移植機を利用すると、定植と同時に植え穴に土壌施用剤を正確に散布できる。また、作業時間は慣行手作業の25%に短縮でき、作業負担は慣行手作業の26%に低減し、作業姿勢も深い前屈姿勢から直立姿勢に改善され、不快作業が解消されるとともに大幅な省力・軽労化が可能となる。
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背景・ねらい |
全自動移植機利用による省力定植技術が夏まき栽培で普及し始めているが、土壌施用剤の散布は手作業で行わなければならず、不快で労力を要する作業となっている。そこで、定植と同時に植え穴に土壌施用剤が散布できる薬剤散布装置付き全自動移植機の散布精度と省力・軽労効果を明らかにし、定植の省力化と合わせて防除の効率化を図ることをねらいとした。
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成果の内容・特徴 |
- 本機の利用により、粒剤の物理的性状が変わっても、根鉢の周囲にほぼ設定どおりの量を散布できる(表1)。
- 土壌中の散布範囲は図1に示すとおりで、根鉢周囲の深さ6.5cm、幅3.7cm、長さ13cmの範囲であった。撒布密度は図の点線部で高かった。
- 本機利用による10a当たりの植付け・粒剤散布作業時間は2.5時間で、慣行手作業10.2時間の25%に短縮でき、省力化と合わせて不快作業が解消できた(表2)。
- エネルギ代謝率(RMR)は、移植機作業2.9、慣行手作業では散布2.5、植付け2.8で、作業強度はいずれも中等作業に分類された。10a当たりの消費エネルギ量は、移植機作業615kcal、慣行手作業2,412kcalで、本機利用により作業負担は26%に低減した(表2)。
- 作業姿勢は、慣行手作業では90度以上の深い前屈姿勢割合が散布、植付作業とも90%以上であったが、本機利用では0~29度の直立からやや前屈姿勢割合が87.7%となった(表3)。
- 本機を利用した栽培体系による収量は5,800kg/10aで、地床苗を使用した慣行手作業体系による収量と同等であった(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 土壌施用剤は種類により物理的性状が違うため、薬剤に応じた散布量の設定をする。
- 粒剤散布及び植付精度を高めるため、定植圃場は良く砕土し植付面を均平にしておく。
- 圃場が乾燥している時は、植付後に十分かん水する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
キャベツ
軽労化
栽培技術
栽培体系
省力化
防除
薬剤
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