かんきつ用酸糖度分析装置によるトマト・イチゴの酸・糖度の簡易測定

タイトル かんきつ用酸糖度分析装置によるトマト・イチゴの酸・糖度の簡易測定
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 1999~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 トマトおよびイチゴの果汁をかんきつ用の酸糖度分析装置に注入し、出力値を補正式で換算することにより、酸度・糖度を簡便に測定できる。
背景・ねらい トマトおよびイチゴの果実品質を評価する場合、糖度・酸度が最も重要な項目である。しかし、酸度は滴定による測定法が煩雑であり、さらに果汁が着色しているため指示薬が使いにくい欠点がある。一方、ミカンでは、電気伝導度(酸)および屈折率(糖)を利用した日園連酸糖度分析装置(NH-1000、H製作所)が、流通現場や研究機関において簡易分析装置として使用されている。そこで、トマト・イチゴの酸・糖度測定への本装置の適用性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 酸糖度分析装置によるトマト正常果およびイチゴの酸出力値は、滴定酸度よりやや高いが、両測定値の相関は高いため、出力値を補正すれば実用可能である。しかし、トマト尻腐れ果の酸含量出力値は、滴定酸度より極端に高い値を示す個体が多い(図1)。
  2. 果汁中で陽イオンとなる元素は各果実ともカリウムが主体、無機陰イオンについては、イチゴはリン酸、塩素および硝酸、トマトはリン酸および塩素が主体で、これらのイオン濃度が高いほど、酸糖度分析装置による酸出力値が高くなる(図2)。
  3. 酸糖度分析装置によるトマト・イチゴ果汁の糖度出力値は、デジタル糖度計による値と相関が高い(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 本装置によるトマト・イチゴの酸度は、かんきつより濃度が高い無機イオンの影響で、実際より高い値を示す。トマト・イチゴの味は糖酸比で評価されることが多いが、酸度の絶対値が異なると糖酸比の値は大きく変動するため、本装置による酸度出力値は図中の補正式により換算することが必要である。
  2. トマトの尻腐れ果は、無機イオン濃度が著しく高いことが多く、補正式を用いても本装置による酸度の測定は困難である。
  3. 糖度についても,従来法による測定値と絶対値を厳密に比較する場合は、表中の回帰式により値の補正を行うことが望ましい。
図表1 216207-1.gif
図表2 216207-2.gif
図表3 216207-3.gif
カテゴリ いちご 簡易測定 トマト その他のかんきつ

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