タイトル |
コマツナ点播栽培の播種方法と収穫作業性 |
担当機関 |
東京都農業試験場 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
コマツナの点播栽培は、従来の条播に比べて収穫作業性の向上に有効である。栽植条件は、生育・品質及び作業性から1株3本立ちとし、条間及び株間は10cmが適当である。また、播種数日前に播種床へかん水を行うことによって播種機の走行が安定し、播種精度は向上する。
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背景・ねらい |
コマツナの収穫(調整)作業は、労働時間全体の7割以上を占める。このため、収穫作業の省力化を図る必要がある。 そこで、従来の条播にかわる新たな播種方法「点播」の播種条件と、収穫作業性に及ぼす影響を検討した。なお、ここでの点播栽培では、播種後間引きを行うことなく収穫まで1株数本立ちの状態で栽培する。
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成果の内容・特徴 |
- あらかじめ播種前に播種床へかん水することによって土壌表面の硬度が高まり、播種機の走行が安定し、播種精度が向上する。また、鎮圧のみでは、播種機の走行は改善されず、播種精度に対する効果は小さい(表1)。
- 面積あたり播種粒数を一定として、1株あたりの個体数を変えた場合、個体数が多いと軟弱な草姿となり、生育は遅れ、生育のそろいが低下する傾向がみられる。このため、1株あたりの個体数は2~3本とする(表2)。
- 点播の導入によって、収穫時の抜取り作業がしやすく、その回数及び抜取り時の葉折れが少なくなり、調整が行いやすくなる。さらに、点播では、株間が広い方が抜取りやすく12cmは8cmより作業性は高いが、抜取り作業時の移動が多く、作業時間を改善する効果としては小さい(表3)。
また、生育・品質の面からは1株2~3本(株間6~10cm)が良いことから、総合的には株間は10cm程度が良く、それに適する条間は10cm、1株本数は3本である。
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成果の活用面・留意点 |
- 点播は、管内で現在普及しているロール式「クリーンシーダ」(多木製)や、小型管理機に設置可能な自走式「STE-886G」(総和製)等の播種機で可能である。
- 品種によって種子の大きさが異なるため、1株に適正な粒数が播種されるよう、品種ごとに播種機の調整を行う必要がある。
- 播種後は、株内の個体間の生育差を小さくするため、均一にかん水して出芽をそろえ、生育後期までは過度に乾燥しないようにかん水管理を行う。
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カテゴリ |
乾燥
くり
こまつな
省力化
播種
品種
水管理
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