タイトル |
水稲酒造好適米品種「ひたち錦」の奨励品種採用 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
酒造好適米品種「ひたち錦」は熟期は晩生の早で、美山錦より短稈で耐倒伏性が強く多収である。千粒重は重く、心白は小さく、発現率は高い。白米粗タンパク含有率は低く、酒造好適米としての品質が優れるので、奨励品種に採用する。
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背景・ねらい |
茨城県における酒造好適米の栽培面積は約30haで、本県産の供給量は需要量の1割程度と少ない。認定品種である美山錦は本県では早生で雀害を受けやすく、長稈で倒伏しやすく、玄米品質も十分ではない。本県育成の「ひたち錦」は晩生の早で、やや長稈であるが強稈であり、栽培特性と醸造適性がともに優れる酒造好適米品種である。本品種の奨励品種採用により、本県における酒造好適米の栽培・普及を図る。
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成果の内容・特徴 |
美山錦と比較した「ひたち錦」の特性は以下の通りである。
- 出穂期および成熟期は早生の美山錦より2週間程度遅く、晩生の早である(表1)。
- 稈長は短く、穂長は長く、穂数はわずかに多い。耐倒伏性はやや強い(表1)。
- 葉いもちの発生は並で、穂いもちは少なく、紋枯病の発生はやや少ない。穂発芽性は難である(表2)。
- 収量は多収である。玄米千粒重は重く、粒厚分布はほぼ同じである(表1、表3)。
- 玄米品質は心白が小さく、心白発現率が高く、揃いが良く、優れる(表1)。
- 白米粗タンパク含有率は明らかに低い(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培は県下全域で、成熟まで十分な用水が確保できる地域とする。普及予定面積は60haで契約栽培を前提とする。
- 高品質米を生産するため、多肥栽培を避けるとともに、コシヒカリより晩熟のため早期落水を避ける。また熟期が遅いためカメムシが集中し、品質低下や穂発芽が発生するので、防除に努める。
- 平成12年度に栽培法(暫定版)を作成した。今後さらに醸造適性を高める好適肥培管理法についての試験を継続し、平成13年度に栽培法(決定版)を作成する予定である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
カメムシ
酒造好適米
水稲
肥培管理
品種
防除
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