タイトル |
水稲「ひとめぼれ」の奨励品種採用による高冷地帯の熟期分散 |
担当機関 |
岐阜県中山間農業技術研究所 |
研究期間 |
1994~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
良食味、難穂発芽性、耐冷性極強の「ひとめぼれ」を奨励品種に採用し、県北部飛騨高冷地帯における稲作の熟期分散と産米の良食味化を図る。
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背景・ねらい |
飛騨盆地を中心とした本県高冷地帯の水稲品種は、「コシヒカリ」を除く「あきたこまち」や糯・酒米等の複数品種の熟期が重なり、収穫作業の集中や乾燥調製施設の荷受け制限などの問題が生じている。そこで、良食味で難穂発芽性の中間熟期の品種を選定し、熟期の分散を図る。
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成果の内容・特徴 |
「ひとめぼれ」の特性概要を以下に示す(中農研:標高493m:5月中旬移植:表1,表2,表3)
- 成熟期は「あきたこまち」より5日遅く、「コシヒカリ」より6日程早い。
- 稈長は「あきたこまち」と同程度で、耐倒伏性はやや劣る。
- 収量性は「あきたこまち」「コシヒカリ」と同程度である。
- いもち病抵抗性は「あきたこまち」と同等かやや弱い。
- 耐冷性・耐穂発芽性は「あきたこまち」より優り、「コシヒカリ」並である。
- 食味は粘りがあり、「あきたこまち」より優る。
本県北部(飛騨高冷地)への導入効果は以下のとおりである(図1)。
- 「ひとめぼれ」を導入し「あきたこまち」の作付けを減らすことにより収穫時期の集中が解消され、適期収穫が可能となる。
- 熟期分散によりカントリーエレベーター(以下CE)の2品種荷受け体制が可能となり、荷受け制限による収穫遅れが解消される。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及面積は県北部高冷地帯をはじめ、全県下で約2,000ha程度と予想される。
- 低標高地では「コシヒカリ」との熟期差が小さくなり、平坦部の普通期栽培においては熟期が競合するので作付け体系を考慮する。
- 基肥窒素量は、県北部では4.5~5.0kg/10a程度とする。
- いもち病の防除は「コシヒカリ」と同様の体系とする。
- 栽培限界標高は700mを原則とする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
乾燥
酒造好適米
水稲
抵抗性
品種
防除
良食味
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