新育苗箱を用いた水稲稚苗マット苗の軽量化

タイトル 新育苗箱を用いた水稲稚苗マット苗の軽量化
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1996~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 新育苗箱を用いれば、培土の厚さが従来の2/3まで減らせ、マット苗と育苗箱を合わせた重量が、従来法より約3割軽い5kgまで軽減できる。また、培土購入費も育苗箱当たり30円コスト低減できる。
背景・ねらい 水稲を1ha栽培するのに育苗箱で220箱分の苗が必要である。その総重量は概ね1.3tにもなり、これの手作業による運搬が重労働になっている。従来の育苗箱を用いて、培土量を減らすと様々な問題が生じる。そこで、軽量化とコスト低減を図るため新育苗箱を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 開発した新育苗箱(かるかるニューライン)は、既存の播種プラントが使用できるように外寸は変えずに、上げ底にして培土量を減らしてある。育苗箱底面には12mm間隔にライン条の山部と谷部を設け、山部に排水口がある(写真1)。
  2. 新育苗箱は、育苗培土の厚さを従来の2/3の2cmに減らせるため、容器容水量時の育苗箱とマット苗の総重量が、従来の7kgから約3割軽くできる(表1)。
  3. 本育苗法による苗質は、根張りが良く、充実度が増し、草丈がやや短くなる(図1)。
  4. 窒素施肥量は、育苗箱当たり1gで健苗が育苗できるが、冷涼な時期や地域では、生育量確保のため1.5g/箱施肥する(表2)。
  5. 播種量は、稚苗育苗の場合乾籾で120~150g/箱、半中苗で100g/箱(データ省略)が適当である。播種量が少ない120g/箱では根張りがやや劣り、欠株率はやや高まるが、苗の充実度が増し、実用上問題ない(図2、表2)。
  6. 新育苗箱は培土量が減っても保水性が維持できるよう底面がライン構造になっている。そのため、苗が萎凋始めるまでの時間は従来の育苗箱並で、潅水は従来法並の1日1回程度で良い(図3)。
  7. 田植機との適合性、移植精度及び玄米収量は、従来法並に確保できる(表2)。
  8. 新育苗箱の耐用年数を15年とすると減価償却費は約15円/箱/年となる。培土購入費が30円/箱安くなるため、まだ使用可能な育苗箱を新育苗箱に替えても、コスト低減が図れる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 新育苗箱を導入しても、従来の播種プラントがそのまま使え、育苗センターなど経営体の経営改善ができる。
  2. 播種時の潅水量は0.8~1リットル/箱程度の十分量を施す。培土に山土を使用する場合は、粒状のものを使用する。
図表1 216222-1.gif
図表2 216222-2.gif
図表3 216222-3.gif
図表4 216222-4.jpg
図表5 216222-5.gif
図表6 216222-6.gif
カテゴリ 育苗 経営管理 水稲 施肥 低コスト 播種

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