稲麦同時不耕起直播栽培技術の開発

タイトル 稲麦同時不耕起直播栽培技術の開発
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 愛知式不耕起播種機を用いて、11月下旬から12月上旬に小麦と水稲種子を同じ播種溝へ同時播種する。水稲出芽時には小麦との水分競合によって水稲の夭折が発生し苗立率が低下するため、小麦成熟後期に明きょ通水すれば、小麦に影響なく水稲の苗立ちと初期の生育を確保し収量を安定させることができる。
背景・ねらい 愛知式不耕起播種機を利用することによって、革新的な省力二毛作体系となる水稲の麦間不耕起直播栽培体系を確立した(平成9年度研究成果情報、平成11年度関東東海農業の新技術)。さらに、省力的な二毛作体系を実現するため稲麦同時不耕起直播栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 愛知式不耕起播種機を用いて、11月下旬から12月初旬に播種溝(開口部2cm、深さ5cmのV字型溝)へ小麦と水稲種子を同時に播種する(図1)。
  2. 水稲種子へ乾もみ当たり適用範囲内の0.5%のチウラム水和剤(有効成分80%含有)を湿粉衣(5~6倍水溶液で粉衣)することによって、出芽・苗立ちが向上する(成績省略)。
  3. 水稲の出芽時には種子の周囲が小麦の根で覆われているため、小麦との水分競合で出芽後の水稲が夭折し、苗立率の低下がみられる(図2)。したがって、播種前に明きょとこれに交差する暗きょを施工し、降雨の内ない場合は小麦の登熟後期に土壌表面が湿る程度に明きょへ通水する(図3)。これによって、品質・収量に悪影響をあたえることなく、水稲の苗立ちが向上し初期生育も促進される(表1)。
  4. 小麦の収穫時には、水稲の草丈は12~15cm、葉齢は3~4となっており(表1)、小麦収穫後に移植した水稲より生育が安定し高収量が得られる(表2)。
  5. 以上の技術を組み入れることによって水稲、小麦とも実用的な収量(図4)が得られる図5の様な栽培体系が確立できた。
成果の活用面・留意点
  1. 水稲の品種は、小麦ほ場で越冬するヒメトビウンカが媒介する縞葉枯病の抵抗性を有し、生育が確保しやすい中生品種(葵の風、あいちのかおりSBL等)がよい。
  2. 播種精度を高めるため、播種前に夏秋季代かきか耕起鎮圧を実施する。
    3小麦の収穫時には、拡散機付きのコンバインで高刈りし出芽した水稲への麦わらの被覆量を軽減する。
  3. 入水後の中期除草剤は必要に応じて散布する。また、生育に応じて穂肥を施用する。
図表1 216226-1.gif
図表2 216226-2.gif
図表3 216226-3.gif
図表4 216226-4.gif
図表5 216226-5.gif
図表6 216226-6.gif
図表7 216226-7.gif
カテゴリ 病害虫 小麦 栽培体系 直播栽培 縞葉枯病 除草剤 水稲 抵抗性 二毛作 播種 ヒメトビウンカ 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる