蒸切干し用かんしょ「九州118号」の準奨励品種採用

タイトル 蒸切干し用かんしょ「九州118号」の準奨励品種採用
担当機関 茨城県農業総合センター農業研究所
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 かんしょ「九州118号」の形状は紡錘形、皮色は赤紫で条溝・裂開の発生はタマユタカより少なく外観品質は優れ、いもの肉色は黄である。収量はタマユタカと同等、上いも1個重は大きい。蒸切干しの食味はタマユタカに比べ甘みはやや少ないが、色は黄色味が強く明るく優れ、シロタの発生は少なく加工適性が高い。
背景・ねらい 茨城県の蒸切干し用主力品種のタマユタカは、病害に強く多収で貯蔵性が良く、蒸切干しの甘味・風味等に優れ根強い人気がある。しかし、裂開や加工時に通称シロタと呼ばれる障害が発生しやすく、製品歩留り低下や品質劣化が問題となっている。「九州118号」はタマユタカに比べ収量は同等で、塊根の大きさはタマユタカより大きく、いもの条溝・裂開の発生は少なく加工しやすい。蒸切干しの甘味がやや少ないものの、蒸切干しの肉色は黄で優れ、シロタの発生がタマユタカより少ない。以上のことから、「九州118号」を準奨励品種として採用し、タマユタカの欠点を補完し、蒸切干しの品質向上と多様化による需要拡大および産地の活性化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 育苗における萌芽の多少は中で、萌芽の揃いと伸長は良い(表1)。
  2. いもの形状は紡錘形で、皮色は赤紫、肉色は黄である。タマユタカに比べ、条溝と裂開の発生が少ない。外観品質はやや上で優れる。掘取り難易は易、貯蔵の難易はやや易である(表1)。
  3. サツマイモネコブセンチュウ抵抗性は強、黒斑病抵抗性はやや弱である(育成地調査)。
  4. タマユタカに比べ、つる重は軽く、上いも重(収量)は同等である。また、1株当り上いも数はやや少なく、上いも1個重は大きい(表2,表3)。
  5. 蒸切干しの食味は、タマユタカに比べ甘みはやや少ない。また、シロタの発生はタマユタカより少なく、色は黄色で明るく優れる(表2,表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培は県かんしょ栽培基準に準ずる。
  2. 黒斑病にやや弱いので病害虫防除基準に基づき防除を行う。
  3. 普及対象地域はひたちなか市、東海村、大洗町を中心とする蒸切干し生産地帯。
図表1 216228-1.gif
図表2 216228-2.gif
図表3 216228-3.gif
カテゴリ 病害虫 育苗 加工 加工適性 かんしょ 需要拡大 抵抗性 病害虫防除 品種 防除 良食味

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