タイトル |
加工用かんしょ「九州132号」の認定品種採用 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター農業研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
かんしょ「九州132号」の形状は長紡錘形で、皮色は紫、肉色は紫で、外観品質はアヤムラサキより優れる。収量はアヤムラサキよりやや多く、ベニアズマより少ない。高でん粉性で、切干し歩合はベニアズマ並に高く、アントシアニンの色価はアヤムラサキとほぼ同等である。紫色素を利用する加工食品原料用かんしょとして採用する。
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背景・ねらい |
かんしょは健康食品としての位置づけが高く、特に近年の機能性食品ブームで、カロテン(オレンジ色素)やアントシアニン(紫色素)を多く含んだ高色素かんしょを利用した加工品が注目されている。茨城県においては、紫イモを九州から取り寄せ加工を試みている実需者もあり、今後高色素かんしょを利用した加工品生産は活発となり需要は増大すると考えられる。「九州132号」はアントシアニン含量が多く、外観品質も良く加工しやすい特徴を持つことから認定品種として採用し、生産の多様化、需要拡大を図り、本県のかんしょ生産振興の一助とする。
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成果の内容・特徴 |
- 育苗における萌芽の多少は中で、萌芽の揃いと伸長は良である(表1)。
- いもの形状は長紡錘形で、皮色は紫、肉色はアントシアニンを含み紫である。条溝の発生は無く、外観品質はやや上でアヤムラサキより優れる。掘取り難易は易、貯蔵の難易はやや易でベニアズマより優れる(表2)。
- サツマイモネコブセンチュウ抵抗性は強、黒斑病抵抗性は中である(育成地調査)。
- アヤムラサキに比べ、つる重は同等、上いも重(収量)はやや多い。また、一株当り上いも数は多く、上いも一個重は同等である(表2,表3)。
- でんぷん歩留りの目安となる切干し歩合はベニアズマ並に高く高でん粉性である(表2)。また、アントシアニンの色価はアヤムラサキとほぼ同等で高い(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 加工用(色素抽出)であり、食用には適さない。
- 栽培方法は県かんしょ栽培基準に準じ、契約栽培を前提とする。
- 普及対象地域は県内全域。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
加工
かんしょ
需要拡大
機能性食品
抵抗性
品種
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