麺の色相・食感に優れた小麦新品種「きぬの波」の育成と認定品種採用

タイトル 麺の色相・食感に優れた小麦新品種「きぬの波」の育成と認定品種採用
担当機関 群馬県農業試験場
研究期間 1985~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 群馬県で育成した小麦新品種「きぬの波」は、耐倒伏性に優れた多収品種で、アミロース含量はやや低く、製粉性は並であるが、麺の色相に優れ、食感の硬さと粘弾性のバランスに優れる。群馬県で認定品種として採用する。
背景・ねらい 「きぬの波」は、成熟期が「農林61号」並~やや早生であること、実需者からも一定の評価を得ていることから、「農林61号」の一部に替え採用することにより、生産者の作付け意欲向上と安定した二毛作体系の確立などが期待される。
成果の内容・特徴 「きぬの波」は、早生、加工適正向上を育種目標とし、昭和60年に「関東107号」を母、「関東100号(バンドウワセ)」を父として、人工交配し、昭和62年に雑種第2代で固体選抜を行い、以降は系統育種法により選抜固定を図り、平成8年に地方番号「群馬W6号」を付し、奨励品種決定調査に供試、平成12年2月に品種登録の申請を行った。
「きぬの波」は、「農林61号」と比較して次のような特徴がある。
  1. 出穂期および成熟期は1~2日程度早い。
  2. 稈長は短く耐倒伏性に優れる。
  3. 白ふ品種で、穂長は同程度、穂数はやや少ない。
  4. 収量は多収で、容積重及び千粒重は同程度である。
  5. フレッケンがやや多い。
  6. 小麦縞萎縮病抵抗性は強、うどんこ病抵抗性はやや弱である。
  7. 穂発芽性は同程度で強い。
  8. 製粉歩留は同程度である。
  9. アミロース含量はやや低い。アミログラムの最高粘度が高い。
  10. 製麺適正は、色相、粘弾性、滑らかさ全ての項目で優れている。
成果の活用面・留意点
  1. 作付地帯は当面150m以下の平坦地帯を中心とし、実需者の評価を受けながら農林61号に替え、将来的には作付面積6000ha以上の普及を見込んでいる。
  2. つるぴかり並の栽培特性を有することから、播種量は8kg/10a、施肥量は窒素成分8kg/10aを標準とする。低蛋白質傾向になりやすいので生育途中の肥料切れにし注意する。
  3. 病害中防除では、うどんこ病の発生に留意する。
図表1 216235-1.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 育種 萎縮病 うどんこ病 加工 小麦 新品種 施肥 抵抗性 二毛作 播種 品種 防除

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