タイトル |
乾燥粉砕桑葉給与が鶏卵のβーカロチン量及び産卵性に及ぼす影響 |
担当機関 |
茨城県畜産センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
採卵鶏に乾燥粉砕桑葉を10%添加した飼料を給与することにより,卵黄中のβーカロチン含量が増加し,卵黄色が濃くなり,鶏糞からのアンモニア発生が抑制される。
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背景・ねらい |
特定の栄養素を強化した鶏卵がいろいろ販売され,高付加価値卵(機能性卵)についての関心は高まっている。こうした中,県内の農協から桑葉の新たな利用方法の開発について依頼があり,その中に多く含まれるβーカロチンに着目し,その卵中への移行と卵質・産卵性等への影響について検討する。
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成果の内容・特徴 |
試験は,デカルブゴールド(ロード系)を対照区80羽(当場慣用飼料を給与CP17%,ME2,850kcal以上)と試験区80羽(対照区飼料に乾燥粉砕桑葉を10%添加給与)に分け,30日間(281日齢~310日齢)行った。1.乾燥粉砕桑葉給与によりβーカロチンが卵黄中,及び血清中に移行し含量が多くなる。(表1) 乾燥粉砕桑葉給与により卵黄色が濃くなり,ロッシュヨークカラーファン及び色差計を用いて調べた結果カラーファンスコア,L値,a値は,15日,30日で有意差が認められる。b値は試験開始30日で有意差が認められる。(表2) 乾燥粉砕桑葉給与により鶏糞からのアンモニア発生が抑制される。硫化水素については差が見られない。(表3) 乾燥粉砕桑葉給与により産卵率,平均卵重,日産卵量は対照区に対し劣る。破卵率,飼料消費量,飼料要求率については差がない。(表4)
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成果の活用面・留意点 |
- 平成10年度に実施した,慣用飼料に乾燥粉砕桑葉を15%添加給与した試験区(βーカロチン以外の機能性物質の移行について検討)では,産卵率,日産卵量について劣った。今回も試験区(乾燥粉砕桑葉10%添加)は,産卵率,平均卵重,日産卵量が対照区に対し劣った。これらのことから,乾燥粉砕桑葉を10%以上添加給与する場合はME,CP等の補正が必要となる。
- 桑葉を購入する場合,慣用飼料に対し一般に単価が高くなるので,損益分岐点等の検討が必要となる。
- 今回の試験実施日齢(281~310日齢)以降の産卵後期に活用する場合には検討が必要となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
カラー
乾燥
機能性
桑
高付加価値
鶏
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