タイトル |
乳牛における1日3回搾乳による泌乳量増加 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
乳期途中における4週間連続の3回搾乳により日乳量は迅速に反応して平均で5.3%増加する。乳脂肪率は低下する傾向にあるが、乳脂肪量としては増加する。
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背景・ねらい |
大規模化が進む本県の酪農家においては繋留方式からフリーストール・ミルキングパーラー方式に転換する事例が増えており、その中でも搾乳回数を従来の2回から3回とする農家が出てきている。また、自動搾乳システムが実用化され、県内の酪農家にも導入され始めており、多回搾乳に関する情報が望まれている。そこで、本研究は3回搾乳の乳生産に及ぼす影響を調査する。
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成果の内容・特徴 |
- 3回搾乳に用いた乳牛は12頭で、開始時点の平均搾乳日数及び平均産次数はそれぞれ166日、2.9産である。搾乳期間は28日であり、搾乳条件は表1に示す。
- 乳量は3回搾乳直前の2回搾乳時4週平均日乳量と比較して5.3%増加する(表2)。乳成分では、乳脂率は低下する傾向が見られる(表2)が、乳脂肪量としては増加する。無脂固形分、乳蛋白質に関しては率に変化はなく、量は乳量の増加に伴い増加傾向となる。
- 乳量の変化には個体差が大きく12頭のうち9頭で増加、3頭で減少が見られる。増加した個体では最大で26%、減少した個体では8%の減少となった(図1a)、b)、c))。
- 3回搾乳直前の乳量水準からの乳量変化では、乳量水準が低い牛群の乳量増加が大きく、乳量水準が高くなるに従い乳量増加は小さくなる傾向が見られる(図1d))。
- 本試験期間中に搾乳に関連する疾病の発生は見られていない。
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成果の活用面・留意点 |
- 乳期途中からの3回搾乳では全ての牛で乳量が増加するわけではないが、全体的に産乳量の増加が認められるため、経営形態の一つとして有効である。
- 乳量増加に伴い乳脂率の低下が予想されるので飼料中の栄養濃度に配慮が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
大規模化
乳牛
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