タイトル |
早期離乳隔離飼育による豚の清浄化 |
担当機関 |
群馬県畜産試験場 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
各種純粋種子豚(L・W・D・H)および三元交雑子豚を用いて、早期離乳隔離飼育について検討を行ったところ、14日齢離乳と清浄環境下における隔離飼育の併用にて、育成率の低下を来すことなくマイコプラズマ性肺炎、豚胸膜肺炎(App2型)、豚繁殖・呼吸障害症候群の感染防止をすることができた。
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背景・ねらい |
豚慢性疾病は養豚の生産性を阻害する大きな要因の一つとなっているが、哺乳子豚を14日齢以内に離乳し病原菌のいない環境下で隔離飼育することにより、疾病の感染を抑制できることが知られている。そこで清浄化された種豚生産を目的に、早期離乳隔離飼育を実施し、発育性への影響や抗体検査の成績について検討を行った。
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成果の内容・特徴 |
- 早期離乳における子豚の発育性を確認するために、三元交雑子豚について育成を試みたところ、試験1では早期離乳の子豚は、離乳後に発育停滞の傾向が見られたが4週齢になると有意な体重差は認められず、育成率についても対照(21日齢離乳)区と差はなかった。しかし、離乳後の隔離状態が不完全であったため各種疾病については感染を防止することはできなかった(表2、表3)。
- 各種純粋種子豚(L・W・D・H)について隔離を徹底して育成を行ったところ(試験2)、発育性については試験1の14日齢離乳と同様な結果となり、育成率についても良好な数値であった。また、抗体検査の結果からマイコプラズマ性肺炎、豚胸膜肺炎(App2型)、豚繁殖・呼吸障害症候群については感染を防ぐことができたが、アルカノバクテリウム・ピオゲネス感染症については、2ヶ月齢および3ヶ月齢で陽性を示す個体がみられ、感染を完全に防止することはできなかった(表4、表5)。
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成果の活用面・留意点 |
- 14日齢の早期離乳により、育成率の低下を来すことなくマイコプラズマ性肺炎、豚胸膜肺炎(App2型)、豚繁殖・呼吸障害症候群については清浄化が可能であると思われる。
- 早期離乳により清浄化するためには離乳後の清浄な環境が不可欠であり、充分に消毒された隔離豚舎が必要である。また、他の豚舎に立ち入ることのない専属の管理者も必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
繁殖性改善
豚
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