肉用銘柄鶏「風雷どり」における競合排除製剤の投与効果

タイトル 肉用銘柄鶏「風雷どり」における競合排除製剤の投与効果
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者
発行年度 2000
要約 盲腸内のプロピオン酸濃度は、競合排除製剤の投与により鶏種・雌雄に関わらず約1.5倍に増加した。しかし、本県で作出した肉用銘柄鶏「風雷どり」は、盲腸内の細菌の絶対量が少なく、ブロイラーに比較しプロピオン酸濃度が低い。
背景・ねらい 本県では、肉用銘柄鶏「風雷どり」を作出・普及している。当場では、風雷どりの能力の向上と斉一化を図るため、種鶏の改良と風雷どりの性能調査を行っている。その一環として鶏肉の安全性を確保するために、サルモネラ菌属の抑制効果の認められている競合排除法(Competitive Exclusion:CE法)について検討した。このCE法の効果の基準として盲腸内のプロピオン酸の濃度があり、これをモニターすることによりCE製剤のサルモネラ菌属に対する防御効果を予測することが可能である。そこで本県の肉用銘柄鶏「風雷どり」(50%在来鶏、いわゆる地鶏)への効果と、鶏種間や雌雄間での効果の相違等について、盲腸内のプロピオン酸の濃度を測定することにより検討した。また、盲腸への細菌の定着状況について走査型電子顕微鏡で観察した。
成果の内容・特徴
  1. CE製剤の投与は、初生ヒナに飲水投与(自由摂取)により行った。
  2. 盲腸内のプロピオン酸濃度は、14日齢時にガスクロマトグラフィー法により測定した(1試験区あたり6羽)。
  3. 盲腸内のプロピオン酸濃度は、CE製剤の投与により鶏種・雌雄に関わらず約1.5倍に増加した。しかし、風雷どりはブロイラーに比較し濃度が低かった(表1)。
  4. 風雷どりの盲腸壁の孔はブロイラーに比較し小さく、細菌の絶対量は明らかにブロイラーが多かった(写真1、写真2、写真3、写真4)。
  5. これらのことから、鶏種によるプロピオン酸濃度の違いは、細菌の絶対量(プロピオン酸を生産する細菌を含めた)の差によるものと思われた。
成果の活用面・留意点
  1. 盲腸内のプロピオン酸濃度により、サルモネラ菌属の抑制効果を予想した場合、CE製剤の効果は鶏種に関わらず有効で、いわゆる地鶏についても効果が期待でき、安全な鶏肉生産に寄与できる。
  2. 鶏種により盲腸内のプロピオン酸濃度が異なるので、CE剤投与の効果判定は同一鶏種内で比較する。
図表1 216274-1.gif
図表2 216274-2.jpg
図表3 216274-3.jpg
図表4 216274-4.jpg
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