家畜ふん堆肥施用による土壌電気伝導率の上昇程度を推定する方法

タイトル 家畜ふん堆肥施用による土壌電気伝導率の上昇程度を推定する方法
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者
発行年度 2000
要約 家畜ふん堆肥施用時の土壌電気伝導率の上昇程度は、施用する現物堆肥の電気伝導率と施用量の積から推定できる。
背景・ねらい 家畜ふん堆肥は塩類濃度が高く、施用による土壌塩類濃度への影響が懸念されることが多いが、解析例は少なく、影響程度の予測方法もないため議論や対策の検討も手付かずの現状にある。
家畜ふん堆肥リサイクルの推進を図るために、堆肥と土壌の間を結ぶ推定式を作り、施用試験により検証し、化学肥料施用による影響と比較した。
成果の内容・特徴
  1. 堆肥の塩類濃度の指標となる電気伝導率(EC)は堆肥水分の低下につれ上昇する。特に豚と鶏ふんのみの堆肥や牛の戻し堆肥で高く、これらのものでは推奨基準の基準値(5mS/cm以下)を超えるものも多い(図1)。
  2. 堆肥を施用した場合、水移動による洗脱や濃縮、堆肥と土壌間の交互作用は少ないこと、窒素の形態変化がない等の仮定のもとでは、ECがXmS/cmの堆肥を10a当たりYtを施用したときの土壌EC上昇程度は、XY/50と計算できる(表1)。このことは各種家畜ふん堆肥を実際に施用した場合にも確認できる(図2)。
  3. 窒素20kg/10a相当を施用した場合の土壌EC上昇程度は、硫安では0.15mS/cm、窒素、リン酸、加里含量がすべて15%の化成肥料では0.25mS/cmとなる。これに対し堆肥を標準的に施用した場合には、化学肥料施用に比べ土壌EC上昇程度は小さい(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 家畜ふん堆肥を施用する場合に、土壌の塩類濃度に及ぼす影響を評価できる。また、化学肥料施用に比べ影響が少ないことを啓発できる。
  2. 推定は、堆肥施用時に限る。また、施用条件(土壌の仮比重、耕耘深度)により計算式の分母を変更する。
図表1 216276-1.gif
図表2 216276-2.gif
図表3 216276-3.gif
図表4 216276-4.gif
カテゴリ 肥料

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