家畜ふん尿処理における破砕古紙の利用

タイトル 家畜ふん尿処理における破砕古紙の利用
担当機関 東京都畜産試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 敷料として使用された後の家畜ふんと混合された古紙の堆肥化はおが屑を用いた場合と同様に進行する。出来上がった堆肥を用いた発芽試験には問題はなく、成分的には石灰含量が高い。
背景・ねらい 近年、おが屑に代わる資材として、廃棄物である古紙が注目されてきており、古紙を破砕加工した敷料が流通するようになってきた。しかし、古紙を敷料、あるいは堆肥化処理の副資材として用いた場合、堆肥化を円滑に進めるための条件等まだ不明な部分が多い。そこで、敷料として使用された後の家畜ふんと混合された古紙の堆肥化について、従来用いられてきた副資材の代替品としての可能性の検討を行う。
成果の内容・特徴
  1. 育成牛を踏み込み式で飼養する際に古紙(新聞紙、電話帳、雑誌を破砕加工した物。水分6%、吸水率623%、容積重39kg/m3:古紙区)又はおが屑(おが屑区)を敷料として用いた。開始時に180kg/3頭の敷料を投入し、以降は敷料の状態に応じて適宜追加投入していったところ、最終的な使用量は古紙900kg(5.4kg/頭・日)、おが屑720kg(4.3kg/頭・日)となり(図1)、混合割合は牛生ふん尿に対してそれぞれ28%、21%であった(重量比)。ふん尿と敷料の混合物の水分はそれぞれ67.4%、72.8%であった。
  2. 堆積方式(各730kg)により週1回撹拌を行いながら堆肥化処理を行ったところ、古紙区では順調な発酵のスタートが起こり、4日目には72℃まで温度の上昇が見られた。概して古紙区の品温はおが屑区と比較して高い水準で移行していた(特に堆積初期)。堆積期間は、両区とも10週間とした(図2)。
  3. 両区とも有機物残存率(図3)、C/N比共に時間の経過に従い値が減少していた。
  4. 完成した堆肥を用いてコマツナの発芽試験を行ったところ、両区とも問題は認められなかった。
  5. 堆肥の成分分析を行ったところ、古紙区において石灰が7.09%(乾物含量)と高くなっていた(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 古紙は入手が困難となってきているおが屑や稲わらなどの資材の代替品となりうる。
  2. 重金属の含量は肥料取締法の基準値以下であり問題はないが、石灰の含量に注意して施用する必要がある。
図表1 216286-1.gif
図表2 216286-2.gif
図表3 216286-3.gif
図表4 216286-4.gif
カテゴリ 肥料 加工 こまつな

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