タイトル |
ハウスぶどう「巨峰」のドリップ潅水による盛土式根域制限栽培法 |
担当機関 |
栃木県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ハウスぶどう「巨峰」の液肥を用いたドリップ潅水、培土量60リットルの盛土式根域制限栽培では、1樹当たりの年間窒素施用量を、植え付け3年までは20g、4年以降は60gにすることにより、早期多収が図られ、二年目から2.0t/10a近い収量が得られる。
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背景・ねらい |
ハウスぶどうでは多くの労力とコストをかける割に、思うほど収量が上がらず、果実価格も頭打ちで収益性も悪化している。また、紋羽病の発生により生産が困難となっている園もある。そこで、ハウスぶどう「巨峰」が高品質、多収で、省力化でき既存土壌の影響を受けない、垣根仕立てのドリップ潅水による盛土式根域制限栽培法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 本方式の栽植距離はうね間2m×株間1m、500本/10a植えとする。仕立て方は一本主枝の垣根仕立て長梢剪定とし、主枝高は地上80cm、結果枝をV字状に斜め上方に誘引する。新梢は130cmで摘心し、副梢は適宜基部から切除する。
- 培土は赤玉土:バーク堆肥=2:1の混合土を使用し、遮根シート(ルートラップ)を敷き、その上に盛土(高さ20cm)し根域制限とする。培土量は1樹当たり60リットルとする。苗木は挿し木で養成する。
- 年間窒素施肥量は、1樹当たり植え付け3年までは20g、4年以降は60gを液肥(硝安)として、催芽から収穫直前まで150日間施用する。りん酸はようりんで、年間成分30gを施用する。カリウムは3年目まではバーク堆肥からの成分量で十分であるが、4年目以降は60gを施用する。その他、苦土炭カル48g、植え付け初年目に微量要素としてFTE30gを全量休眠期に施用する(表1、表2)。
- 潅水はドリップ式とし、一日当たりの潅水量は表3のとおりとする。
- 以上の盛土式根域制限栽培により、早期多収が図られ、二年目から2.0t/10a近い収量が得られる。
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成果の活用面・留意点 |
- 紋羽病などの土壌病害発生により生産が困難になった圃場においても栽培が可能である。
- 潅水量が不足すると生育不良、葉焼けなどの障害が発生するので、不足しないように注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
挿し木
省力化
施肥
ぶどう
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