土壌容量の調節が可能なネットを利用したももの根域制限栽培法

タイトル 土壌容量の調節が可能なネットを利用したももの根域制限栽培法
担当機関 群馬県園芸試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 ネットを利用したももの根域制限栽培法の適正土壌容量は200-250であり、11年生を経過しても樹勢が衰弱することなく、露地栽培と同等の収量を維持し、果実はやや小さくなるが渋味果の発生もなく、糖度は1.5%上昇する。また、土壌容量の調節や断根が容易であり、樹高を2m程度に抑えることや移動も可能である。
背景・ねらい ももの低樹高栽培については、現在、整枝剪定法や根域制限法について検討が行われている。根域制限法の場合、市販の60ポットでは樹勢衰弱、収量低下および果実品質の点で問題がある。このため、土壌容量の調節が可能なネットを利用して、根域制限栽培を行い、適正土壌容量の把握とこの栽培法の実用性について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 素材は厚さ3.5mm、網目9×9mmのポリエチレン製黒色ネットで、高さ30cm、円周3mの円筒形(容量220の場合)とし、内面に不織布を敷いて土壌を充填した。供試品種は「川中島白桃」で主幹形仕立てとした。
  2. 本栽培法における施肥は油粕や骨粉などの有機質肥料と堆肥20をN成分で1樹当たり5g/10となるように施用し、かん水は1日2回、30~40/日を目安に管理した。
  3. 適正土壌容量は200~250Lであり、この程度までは移動が可能である。(表1)。
  4. .10a当たりの収量は6年生樹で2,000kgに達し、11年生樹まで露地栽培と同程度の収量を維持しており、2年早く成園化がはかられる(図1)。
  5. 1果重はやや小玉化する傾向を示したが、糖度は1.5%上昇し、渋味果の発生もなく、食味良好で品質は向上する(図1)。
  6. 11年生でも幹周は露地の5年生樹と同程度に留まっており、断面を比較すると、皮層部が1.6倍程度厚くなり、年間の肥大量を示す木質部は42%程度に減少する(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. .断根は8年生程度まで必要なかったが、育苗マットを利用して、ポット上面に根を培養し、このマットごと剥がし取る断根法は簡易であり、樹勢維持に効果が高い。
  2. 樹高を2m以下に抑えることが可能なため、脚立が不要となり、作業の効率化が図られる。
  3. ポット資材およびかん水施設を必要とする。10a当たりの経費は、ポット資材67,250円、かん水施設125,730円、計192,980円である。
図表1 216295-1.gif
図表2 216295-2.gif
図表3 216295-3.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 育苗 施肥 低樹高 品種 もも 良食味

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