日本なしのせん定作業における雇用労力を導入した労働調整

タイトル 日本なしのせん定作業における雇用労力を導入した労働調整
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 日本なしのせん定作業に雇用労力を導入し、園主等の基幹従事者と労働調整を図るための作業法を開発した。せん定適期前の落葉期までに園主がせん除する側枝に目印を付け、当該側枝等のせん定作業は雇用者に委ねる。これにより、せん定に要する総作業時間は1~2割程度増加するが、園主の作業時間は半減する。
背景・ねらい なし栽培におけるせん定作業については、高度な技術を要求される部分もあることから、未だに園主がその大部分を行っている。しかしながら、せん定作業には多くの時間を必要とするため園主にとって大きな負担となり、規模拡大を阻害する要因の一つともなっている。
そこで、せん定技術を低下させることなく、園主の労働軽減を図るため、雇用労力を活用し園主と労働調整を行う作業法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 雇用者は誘引紐の除去、側枝の一部および新しょうのせん除を受け持つ。
    具体的な作業手順としては、(1)園主が落葉期までに更新する側枝にペンキで目印を付ける。(2)雇用者が目印の付いた枝について、誘引紐を除去しながら、鋸でせん除する。(3)園主が、主枝・亜主枝および残す側枝の先端並びに予備枝の先端を切り返す。(4)雇用者が、先に園主が切り返した以外の新しょうを鋏または鋸でせん除する。(5)最後に、園主が手直し等の作業を行い、せん定作業を終了する。
  2. 園主と雇用者を合わせた全せん定時間は13%~25%増加するが、園主の負担時間は42%~44%減少する(表1)。
  3. 園主の鋏および鋸の使用回数が大幅に軽減される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 落葉の前後で側枝間隔が異なって見えることから、本法に習熟するまではせん除する枝に目印を付ける時期を、落葉末期前後と遅めにすることが望ましい。
  2. 落葉前ではえき花芽の着生状況が見にくいので、えき花芽による果実生産が重要な役割を占める「幸水」以外の品種で、技術を習得する。
    1. 組み立てた作業手順を活用すれば、せん定習熟者の技術を初心者等に習得させる手段としても有効である。
図表1 216299-1.gif
図表2 216299-2.gif
カテゴリ 規模拡大 日本なし 品種

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