タイトル |
おうとう平棚仕立てにおける骨格枝の育成法 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
2000 |
要約 |
おうとう栽培の省力化が期待される平棚仕立てにおいて、主枝または亜主枝を2~3年間直立させることにより、「2本主枝H形」では3mの亜主枝を、「2本主枝一文字」では4mの主枝を、それぞれ6年間で育成できる。
|
背景・ねらい |
おうとうは成熟期の降雨により裂果するため、安定生産のためには雨よけ施設が不可欠である。しかし変則主幹形などでは、棟高6m程度の大型の施設が必要なため、施設の設置経費がかさむ。そこで、低樹高化により施設高を低くするとともに、栽培管理の省力化が期待できる平棚仕立てについて、主枝または亜主枝を2~3年間直立させて育成する方法を開発する。
|
成果の内容・特徴 |
- 硬質プラスチックハウスに定植した「佐藤錦」を供試し、1樹を2本主枝H形仕立て、1樹を2本主枝一文字仕立てとした。平棚の地上高は180cmである。
- 2本主枝H形仕立て(図1)
- 定植1年目は新梢2本を主枝とし、主幹より25cmの位置(腕)から直立に誘引する。
- 定植2年目に主枝を仰角45度に棚付けし、棚面で切り戻す。1主枝当たり2本の新梢を亜主枝とし、主枝先端より20cmの位置から直立に誘引する。
- 定植3年目は亜主枝先端の新梢のみを誘引して伸長させる。
- 定植3年目の冬に棚付けする。棚付け時の亜主枝長は250cm程度である。
- 棚付け後は亜主枝の伸長はやや鈍化するが、定植6年目の亜主枝長は約310cm、樹冠占有面積は8.4平方メートルになる(図2)。
- 2本主枝一文字仕立て(図1)
- 定植1年目は新梢2本を主枝とし、主幹より25cmの位置(腕)から直立に誘引する。
- 定植2年目は、主枝先端の新梢のみを誘引して伸長させる。
- 定植2年目の冬に棚付けする。棚付け時の主枝長は330cm程度である。
- 棚付け後は主枝の伸長はやや鈍化するが、定植6年目の主枝長は約420cm、樹冠占有面積は15.3平方メートルになる(図3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 棚付け時に主枝・亜主枝を折損しないよう、腕の部分の誘引は慎重に行う。
- 棚付け後は、主枝・亜主枝先に支柱を添えて高く上げ、伸長を促すようにする。
- 側枝数を確保するため、主枝・亜主枝から発生した新梢は、捻枝などにより枝勢を調節しながら、できる限り残すようにする。
|
図表1 |
|
図表2 |
|
図表3 |
|
カテゴリ |
おうとう
栽培技術
省力化
低樹高
|