タイトル |
かき「富有」のビニル被覆による成熟抑制 |
担当機関 |
岐阜県農業技術研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
かき「富有」を9月下旬(着色開始期)からビニルハウスで被覆保温し、中の最高温度を20-30℃の範囲で管理をすると、成熟が抑制され、12月中旬に収穫できる。さらに、生育期間の延長により果実も大果となる。
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背景・ねらい |
かき「富有」の収穫盛期は11月下旬で市場出回り量もピークとなるため、この時期価格は低迷する。また、収穫作業が集中し慢性的な労働力不足から収穫期の分散が課題である。一方、「富有」の生鮮果の出荷は、12月10日頃までであり、その後は冷蔵果に移行するが、入荷量の減少により価格は安定的に高くなる。そこで、ビニル被覆で低温に遭遇させないように保温管理して、かき「富有」の抑制栽培法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 「富有」の着色開始期(9月下旬)にビニル被覆し、11月中旬まで天窓開閉と換気扇を併用して日中の最高温度を20-30℃の範囲で管理すれば、成熟が遅れて12月中旬に収穫できる(図1、表1)。
- 果実肥大は、落葉期まで続くので、保温管理で紅葉・落葉が遅れ、露地よりも生育期間が長くなることから、果実が肥大し大果となる(図2、図3、表1)。
- 保温管理によって低温遭遇が遅れることで果実の着色は遅れるが、収穫期の12月中旬には露地栽培での果色と同程度に仕上がる(表1)。
- 露地栽培で12月中旬まで樹上に置くと、降霜によりヘタ枯れ、凍害等が発生し、40%程度の果実が軟果するが、ビニル被覆栽培ではこれらの発生はほとんどない(表1)。
- 12月中旬のかきの市場相場は、歳暮需要から11月下旬の約2倍の単価となり、有利販売につながる(データ省略)。
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成果の活用面・留意点 |
- ビニル被覆直後の比較的高温期には、ハウス上層に着果している果実は高温障害を受け易いやすいため、最高温度を35℃以上に上げないよう管理する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
かき
高温対策
出荷調整
凍害
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