かき「前川次郎」の果実成長と気温との関係

タイトル かき「前川次郎」の果実成長と気温との関係
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 1998~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 かき「前川次郎」果実の生育日数の長さは、促成栽培では満開後70~79日および90~99日の気温と負の相関、130日以降の気温と正の相関があり、露地栽培では満開後110~129日の気温と正の相関がある。収穫時の果実重は、促成、露地栽培ともに満開後130日以降の気温と正の相関がある。
背景・ねらい かき果実は2重S字型の成長を示し、成長が盛んな果実発育第I期、停滞するII期、再び盛んとなるIII期に区分される。I、II期における果実成長と温度についての報告は種々あるが、III期においては明確な報告は少ない。今回、促成栽培かき「前川次郎」における高品質安定生産技術を確立するための基礎資料を得ることを目的として、果実の生育日数、肥大とII期後半以降の気温との関係を解析した。
成果の内容・特徴 促成栽培は、年度、温度管理が違う8個のサンプル(1月上旬加温7個、3月上旬加温1個)、露地栽培は8年間の8個のサンプルを解析に用いた。栽培管理と生育の概要は図1のとおりであり、気温との関係を解析した時期の促成栽培は、サイドビニルを解放しているか全てのビニルを除去した状態である。
  1. 促成栽培果実は、露地栽培果実より生育日数が長く、大きい(表1)。これには、満開後100日以降の平均気温(以下、気温と表示)の違いが影響していると推察される。
  2. 果実の生育日数の長さは、促成栽培では満開後70~79日および90~99日の気温と負の相関、満開後130日以降の気温と正の相関があり、露地栽培では満開後110~129日の気温と正の相関がある(図2-A)。
  3. 収穫時の果実重は、促成、露地栽培ともに満開後130日以降の気温と正の相関がある(図2-B)。
成果の活用面・留意点
  1. 果実の成長解析に利用でき、また、温度制御が可能な場合においては、果実成長を調節する上での基礎資料となる。
  2. 最高気温と最低気温も平均気温とほぼ同じ関係であったが、気温以外の要因は検討していない。
  3. 促成、露地栽培ともに自由度は6で、相関係数0.707で5%、0.834で1%で有意。
  4. 果頂部カラーチャート値が、促成栽培は5、露地栽培は6を超えた時点で収穫し、収穫始め、盛り、終わりを特定した。生育日数は満開日から収穫盛り日までとした。
  5. 解析に用いた気温は、促成、露地栽培ともに試験圃場と10km程度離れている津地方気象台の測定値とした。
図表1 216320-1.gif
図表2 216320-2.gif
図表3 216320-3.gif
カテゴリ 温度管理 かき カラー 栽培技術

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