タイトル |
極早生温州の透湿性シートマルチとかん水による高品質果実の早期収穫法 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
極早生温州に透湿性シートを7月上旬から収穫期まで土壌全面被覆し、8月上旬以降にかん水を行うことで、果実のクエン酸を適度に減少させ糖度を高め、しかも着色も早めることが可能で、高品質果実が早期収穫できる。
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背景・ねらい |
温州みかんの果実糖度を高めるため全国的に透湿性シートの土壌被覆処理による水分制御技術が普及して来ている。しかし、一般的に早生温州では水分制御を行うことで糖度は高くなるが、クエン酸の減少が遅れ早期収穫にはつながらないことが多い。そこで、極早生温州(「崎久保早生」)の透湿性シートと点滴かん水を利用した高品質果実の早期収穫方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 透湿性シートを土壌全面に被覆することで降雨を遮断し土壌を乾燥状態に保つことができ、7月上旬から収穫時まで被覆することで慣行栽培に比べて糖度が1度以上高まる。また、クエン酸含量は8月上旬以降にかん水を行うことで、収穫時に慣行栽培と同程度にすることができる(図1、表1)。
- 着色は、慣行栽培に比べて促進され、3分着色以上の果実を収穫した場合透湿性シートマルチによって収穫時期が6日以上早まる(表2)。
- 単位樹冠容積当たりの収量及び収穫果数は透湿性シートマルチと慣行栽培には差が見られない。また、1果平均重にも透湿性シートマルチによる果実肥大抑制の影響は見られない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 極早生温州の高品質果実生産技術として利用できる。
- 果実内容検査を10日程度ごとに行い、減酸が遅れないようにかん水を行う。
- 収穫後は、樹勢回復のために窒素主体の葉面散布を2~3回行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
温州みかん
乾燥
樹勢回復
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