タイトル |
イチゴにおける炭そ病抵抗性の遺伝と育種法 |
担当機関 |
三重県科学技術振興センター |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
イチゴの炭そ病抵抗性は主として相加的効果の高い複数の遺伝子に支配されている。また、炭そ病抵抗性と果実品質との間に重大な連鎖はない。そのため、単純に栄養系選抜を行うよりも、淘汰圧を加えながら種子繁殖により世代を更新し、抵抗性遺伝子の集積が進んだ実生集団において栄養系選抜を行うことが効率的である。
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背景・ねらい |
炭そ病はイチゴの生産において最も問題となる病害の1つであり、抵抗性品種の育成が強く求められている。しかし、実際の育種場面では、商品的価値を高めるため食味や外観などの果実品質が重視され、炭そ病抵抗性への取り組みは充分でない。そこで、炭そ病抵抗性の遺伝様式を解明し、炭そ病抵抗性を持つ高品質品種の育成に効率的な育種法を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 炭そ病抵抗性は、主として相加的効果の高い複数の遺伝子に支配されていると推測できる(図1)。
- 選抜反応から求めた遺伝率は比較的高く、淘汰圧を加えた種子繁殖による世代更新は、炭そ病抵抗性育種に有効である(図2)。
- 炭そ病抵抗性と果実品質に関連する主要形質との間に重大な連鎖関係はないと思われる(表1)。
- 淘汰圧を加えながら種子繁殖により世代を更新してゆくことによって、集団全体の抵抗性を高めることができる(表2)。そのため、抵抗性遺伝子の頻度が低い段階で栄養系選抜を行うよりも、種子繁殖で世代を更新し、抵抗性遺伝子の集積を進めた上で栄養系選抜を行う方が計画的に育種を進めることができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 種子繁殖による世代更新の際は、選抜対象外の優良形質が集団から消失してしまうことを避けるため、交配母本数および交配組合せ数は可能な限り多くする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
いちご
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
繁殖性改善
品種
良食味
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