タイトル |
トマト養液栽培の3〜7月における細霧利用の効果 |
担当機関 |
岐阜県農業技術研究所 |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
トマト養液栽培で、3~7月に1回あたり1分間の葉面が濡れない程度の細霧処理を行うことにより、処理中の平均気温は2℃低下する。これにより、トマトの草勢、着果率、1果重及び収量は向上し、生理障害果は減少する。病害発生への影響は特に認められない。
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背景・ねらい |
施設利用が周年化されつつあるトマト養液栽培では、高温期の室温制御が喫緊の課題である。そこで、昇温抑制と湿度保持のための細霧処理方法を検討して、トマトの生産安定のための対策を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 細霧処理システムは、低コスト化を図るため、市販のノズルと圧力ポンプ一式からなるシステムにタイマーを取り付けたもので、噴霧の最小間隔5分、1日あたり最高48回の噴霧が可能である。
- 細霧処理は、晴・曇天日の9時~16時まで5分~30分間隔で1回につき1分間、3月中旬~4月までは40回/日、5月以降は48回/日行う。処理間隔は気温の高い正午前後を短くし、葉が濡れない程度に行う。これにより、処理期間中の気温は平均2℃低下する。一方、湿度は約10%高まる(図1)。
- トマトの生育は、処理によって葉長及び茎径が大きくなり、草勢が強まる(表1)。
- 収量は、着果率の向上、平均果重の増大によって増加する(表2)。また、チャック・窓あき果、空洞果、とんがり果、尻腐れ果の発生は減少し、秀品率が向上する(図2)。
- 果実品質では、糖度は処理間に差がみられず、酸度は細霧処理によって高まる(表2)。6.病害の発生については、灰色かび病、葉かび病は共に処理間に差が認められない(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 細霧処理は、温室内の最高気温が35℃を越えた頃を開始の目安とする。
- 処理時間が長くなると裂果の発生が多くなるという報告もあり、温度を見ながら1分程度の処理を葉が濡れない程度に多回数行うとよい。
- 施設の導入費用は、配管工事等込みで10aあたり約1,586千円である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
生理障害
低コスト
トマト
養液栽培
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