タイトル |
高冷地の露地野菜生産における緑肥作物の鋤き込み効果 |
担当機関 |
山梨県総合農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ライムギ+ヘアリーベッチ(秋冬作)を鋤き込むことにより、夏作のコマツナ、ホウレンソウ、加工用トマトを減肥して栽培できる。ライムギ(冬作)→エンバク+ヘアリーベッチ(春夏作)を鋤き込むことにより、秋作のレタスは堆肥を用いず標準施肥量で、ダイコン、ハクサイは減肥して栽培できる。
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背景・ねらい |
高冷地の畑作地帯において、一般的に使用されている牛ふんモミガラ堆肥の代替として、緑肥作物を利用した作付け体系を確立する。そこで、緑肥作物のヘアリーベッチ(マメ科)、ライムギ、エンバク(イネ科)の鋤き込みが野菜の夏作(コマツナ、ホウレンソウ、加工用トマト)、秋作(レタス、ダイコン、ハクサイ)の生産量に及ぼす効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 野菜の夏作にむけた緑肥作物の鋤き込み効果
1)野菜の夏作にむけ、前年の秋冬季にライムギ+ヘアリーベッチを作付けると、生重で4.8t/10a(乾物重で約1t/10a)程度を緑肥として鋤き込むことができる(図1)。 2)緑肥作物を鋤き込むことで、コマツナ、ホウレンソウ、加工用トマトは、堆肥を施用せず施肥量を各野菜の1/2に削減しても、堆肥+標準施肥量を施した場合と同程度の生産量を得ることができる(表1、図2)。
- 野菜の秋作にむけた緑肥作物の鋤き込み効果
1)野菜の秋作にむけ、前年の冬季にライムギを、春夏季にエンバク+ヘアリーベッチを連続して作付けすると、生重で計4.9t/10a(乾物重で約1t/10a)程度を緑肥として鋤き込むことができる(図1)。 2)緑肥作物を鋤き込むことで、レタスは堆肥を施用せず標準施肥量で、ダイコン、ハクサイは堆肥を施用せず施肥量を標準量の1/2に削減しても、堆肥+標準施肥量を施した場合と同程度の生産量を得ることができる(表2、図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 秋冬作のライムギ+ヘアリーベッチは9月末までに播種する。播種量は、ライムギが4kg/10a、ヘアリーベッチが5kg/10aで、施肥量は成分量で3要素各2kg/10a程度を施用する。
- 冬作のライムギは11月中に、春夏作のエンバク+ヘアリーベッチは5月中に播種する。播種量はライムギが8kg/10a、エンバクが4kg/10a、ヘアリーベッチが5kg/10aで、施肥量は成分量で3要素各2kg/10a程度を施用する。
- いずれの野菜も、ガスの発生や窒素飢餓を回避するため、緑肥作物の鋤き込みから1カ月程度を経過してから作付けする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
こまつな
施肥
だいこん
トマト
はくさい
播種
ほうれんそう
ライ麦
レタス
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