タイトル |
夏期の施設軟弱野菜栽培における減農薬栽培技術 |
担当機関 |
埼玉県農林総合研究センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
夏期に全開放型ハウスを利用してコマツナの減農薬栽培を行うと、開口部へ防虫ネットを展張しても連作を続けていくとキスジノミハムシ等の害虫の生息密度が高まり食害によって品質が低下する。これを軽減する耕種的手段として、各作付終了直後に簡易太陽熱土壌消毒を実施すると害虫生息密度を低く抑えることができ、さらに目合0.6mmの防虫ネットをトンネル被覆して栽培すると安定した食害防止効果が得られる。
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背景・ねらい |
夏期の施設軟弱野菜栽培では、高温やキスジノミハムシ、コナガ、ハモグリバエ等の害虫による食害によって品質低下を招きやすい。また、コマツナやチンゲンサイなどには適用登録農薬が少なく栽培期間も短いために農薬使用量の少ない栽培技術の確立が望まれている。そこで、全開放型ハウスを利用したコマツナの夏期栽培における品質低下のない耕種的減農薬栽培技術を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 開放型ハウスの開口部に目合1mmの防虫ネットを展張すると1~2作までは害虫による食害が少なく無農薬栽培が可能である。しかし、連作して栽培回数が増すにしたがって、キスジノミハムシなどの生息密度が高まり、農薬による防除が必要となる(表1)。
- 害虫による食害を耕種的に防ぐには、各作付の終了直後にハウス内地表面に透明の古ビニルを被覆し、ハウスを密閉する簡易太陽熱土壌消毒を実施すると、キスジノミハムシやコナガなどの食葉性害虫の生息密度を低レベルに抑えることが可能である(表1)。
- 播種直後に目合 0.6mmの防虫ネットをトンネル被覆すると、さらに安定した食害防止効果が得られる。なお、夏期であれば収穫直前まで防虫ネットを被覆しても、葉色低下が起きず、食害による商品性の低下が少ない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 連作ほ場では萎黄病の回避対策として、耐病性品種を利用する。
2コマツナのほかチンゲンサイやシュンギク等の栽培でも利用可能である。
- 簡易太陽熱土壌消毒で十分な効果を得るには、5~9月の夏期であっても実施期間中に晴天日が1~3日程度必要である。
- 防虫ネットをトンネル被覆する際には、資材の裾を土で埋めて密閉・固定する。また、防虫ネットのトンネル内が乾燥すると、ハダニ、アザミウマによる食害が増加する場合があるので、栽培中は土壌水分保持に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
萎黄病
害虫
乾燥
こまつな
栽培技術
しゅんぎく
耐病性品種
チンゲンサイ
土壌消毒
農薬
播種
防除
野菜栽培
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