タイトル |
冬咲き性スイートピー新品種「オリオン」 |
担当機関 |
神奈川県農業総合研究所 |
研究期間 |
2000~2004 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
冬咲き性スイートピー新品種「オリオン」は、青紫色の花色が美しく、花径が大きく、旗弁にウエーブがあり、観賞価値が高い。冬季低温期にも花弁の周縁部が緑がかることなく、また、生育期間をとおして草勢が旺盛で、花色が安定し、ボリューム感のある高品質な切り花が得られる。
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背景・ねらい |
スイートピーは可憐な花容と品質保持剤の普及により切り花としての需要が伸びてる。これまで品種改良は主に海外でおこなわれてきたが、用途が花壇・鉢物用のため夏咲き性が多い。冬季の切り花栽培に適した冬咲き性品種の育成はあまり行われておらず、品種のバリエーションが少ない。そこで冬季温室栽培に適した冬咲き性で、花色に新規性をもち、ボリューム感のある高品質なスイートピー品種を育成する。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
1987年に「茅ヶ崎11号」(草型は高性、花色は濃ピンク、開花の習性は冬咲き性)と「パティオ」(草型は矮性、花色は不明、開花の習性は冬咲き性)の交配を行い、その自殖後代から草型は高性、花色は青味紫、開花の習性は冬咲き性のものを選抜して固定を図り、1998年に旗弁・翼弁ともに形質の安定した系統を得た。
- 品種の特性
- 開花の習性は、低温・長日を必要としない冬咲き性である(表2)。
- 花色は、旗弁色が青味紫、翼弁色が明青味紫である(表1、図1)。
- 花径は約5cmで、旗弁にウエーブがあり、花が豪華に見えて観賞価値が高い(表1、図1)。
- 花茎長は平均52.7cmで、1花房あたりの花数は5輪以上となり、栽培期間を通して花茎が長く太い切り花が得られる(表1)。
- 既存の濃色花品種に多く見られるような冬期の低温期に花弁周縁部が緑がかることがなく、ボリューム感のある切り花が収穫できる(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 種苗法に基づく品種登録出願準備中
- 初期生育が旺盛で草勢が強くなり着蕾が遅れる傾向にあるため肥培・かん水管理に配慮するなど生育初期から発蕾時期までの草勢管理に注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
新品種
品質保持
品種
品種改良
水管理
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