タイトル |
輪ギク「岩の白扇」の奇形花発生防止技術 |
担当機関 |
静岡県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
輪ギク「岩の白扇」の奇形花を減少させるために、低温遭遇させた株から採穂して苗を養成し、栽培中はパッドアンドファンによる冷房で気温を30℃程度に保ち、強日射時には20%程度の遮光を行う。これにより、9月中旬収穫作型での奇形花発生率を10%以下に抑えることができる。
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背景・ねらい |
夏の輪ギクとして栽培が急増している「岩の白扇」は、8~9月出荷作型で帯化や乱形になる奇形花が多発し、問題となっている。奇形化の発生原因は判明しつつあるが、これを防止する具体的な手段はまだ得られていない。そこで気化熱利用の冷房である、パッドアンドファン(P&F)や遮光などの環境制御によって奇形花発生を防止する。
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成果の内容・特徴 |
- P&Fによる冷房で日中の室温は2~5℃下がり、30℃以上の時間帯が1~4時間短くなる。温室内気温の年次間差は小さい(図1)。また、湿度は60~80%で推移する。
- P&Fを作動させただけでは、9月収穫の「岩の白扇」では50%以上が奇形花になるが、強光時に20%程度の遮光を行うと、奇形花程度が大幅に軽減され、発生率も減少する(表1)。
- 親株が充分低温遭遇していないと、遮光したP&Fの温室内でも比較的高率で奇形花が発生する(表2)。
- 温室内の気温勾配によっても奇形花の発生程度が異なり、パッドから遠くて気温がやや高い場所では発生が多くなる(図2)。
- 奇形花防止に最も有効な方法は、親株を確実に低温遭遇させ、栽培時にはP&Fにより冷房を行い、強光時には遮光することである。これにより、奇形花の発生率を10%以下に減少させることができる。
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成果の活用面・留意点 |
- 低温遭遇の程度について、ここでは無加温ハウスで1ヶ月間としたが、適正な条件はまだ明らかではない。
- 上記の試験において、遮光は強日射(1.1 cal/m2・min 以上)時のみ実施した。
- 3つの技術(栽培温度、遮光、低温遭遇)が揃わないと、奇形花発生防止の効果は不十分である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
環境制御
出荷調整
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