タイトル |
ナガチャコガネ幼虫の要防除密度 |
担当機関 |
埼玉県農林総合研究センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ナガチャコガネ 3齢幼虫の発生時期である秋冬期に茶園雨落ち部における25cm立方の土壌中に幼虫が 6頭以上いる場合、翌年の一番茶芽に被害が見られ、要防除密度と推定される。
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背景・ねらい |
茶樹は、ナガチャコガネ幼虫により秋期に根を加害されると、一番茶芽がほとんど伸びなくなる被害を生じる。このため、広範囲に被害を受けると収穫が皆無となり経済的被害の大きい害虫である。さらに、地下部に生息しているため防除が難しく、主要な防除対策である土壌かん注法による薬剤防除は労力や環境に対する負担が大きい。しかし、防除実施の判断材料となる秋冬期の幼虫密度と被害発生との関係が不明である。そこで、春期に一番茶芽被害発生茶園と無被害茶園のナガチャコガネ幼虫密度調査及び越冬前後の幼虫密度推移調査を実施する。これらの結果から、秋冬期の幼虫密度がどのくらいであれば翌年春に被害が発生するのかを検討することにより、幼虫防除の要防除密度を推定して、防除の効率化を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 一番茶被害発生茶園と無被害茶園の幼虫密度
一番茶摘採期にあたる 5月上旬に被害発生茶園と無被害園の雨落ち部における25cm立方の土壌を掘り取ると、幼虫 2頭以上から被害発生が多く認められる(図1)。
- 越冬前後の幼虫密度推移調査
茶園雨落ち部における25cm立方の土壌中の秋冬期(10月~12月) 3令幼虫密度と一番茶芽被害発生期に当たる翌春( 5月)の幼虫密度の関係(図2)から、一番茶期の被害が発生する境界と考えられる幼虫密度2頭は、前年の秋冬期には 6頭であったと推定され、これが要防除密度と考えられる。
- したがって、ナガチャコガネ 3齢幼虫発生期である10月~12月にかけて、茶園雨落ち部における25cm立方の土壌中に幼虫が 6頭以上いる場合には薬剤防除を実施する。
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成果の活用面・留意点 |
- ほ場内の数カ所を掘り取り判断することが望ましい。
- 薬剤散布を最小限にするため、防除は要防除密度以上の幼虫発生部位に行う。
- 洪積層火山灰質黒ボク土壌の茶園における結果である。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
茶
防除
薬剤
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