タイトル |
埼玉県を中心とする温暖地北部・山間冷涼地における緑茶用品種の適応性 |
担当機関 |
埼玉県農林総合研究センター特産支所特産営農担当 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
近年育成された緑茶用品種の実用形質について摘採期別では、早生では`めいりょく'、中生では`ふくみどり'、晩生では`ほくめい'が製茶品質や収量が優れていた。中でも`ほくめい'は赤枯れ及び青枯れ抵抗性や炭疽病抵抗性にも優れており今後これらの品種の普及を指導する。
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背景・ねらい |
埼玉県は茶栽培にとって冷涼地に当たる。冷涼地における緑茶用品種の普及に当たり、各地で育成された主要品種(14品種)について栽培特性及び製茶品質について検討を行い、指導の参考とするとともに、今後の育種の基礎資料とする。
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成果の内容・特徴 |
- ほ場における耐寒性については赤枯れ被害に対して`ふくみどり'が最も軽微で`みねかおり'を除けば他品種は`やぶきた'より強い。特に`ほくめい'が赤枯れ・青枯れ被害とも軽微で耐寒性に優れていた。(表1)
- 萌芽期および摘採期については`やぶきた'より早い品種が`さやまかおり'等4品種、ほぼ同じが`ふくみどり'等3品種、遅い品種が`ほくめい'等の6品種であった。育成地と異なる傾向がみられた品種もあった。(表1)
- 一番茶の収量では`やぶきた'より多収な品種が多く、特に`ほくめい、めいりょく'は極めて多収であった。(表1)
- 炭疽病については`ふくみどり'が非常に弱かったのに対し`むさしかおり'の被害が少なかった。(表1)
- 一番茶の製茶品質では、香気では`やぶきた'より評価の低い品種があったものの内質合計では、`やぶきた'との有意な差はみられなかった。(表2)
- 秋の生育は旺盛でほとんどの品種が`やぶきた'より優れていた。(図1)
- 栽培特性や製茶品質から判定すると、埼玉県においては早生では`めいりょく'が中生では`ふくみどり'が晩生では`ほくめい'が優れていた。なお`めいりょく'は香味がさっぱりとして清涼感があり、`ふくみどり'は芳醇な香りで味がまろやか、`ほくめい'はさわやかな香気で味にこくがある。
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成果の活用面・留意点 |
- `めいりょく'は青枯れにやや弱く、幹割れ常習地には適さない。
- `ふくみどり'は炭疽病の防除が必要である。
- `ほくめい'は直立性で芽重型品種であるので、整せん枝等による分枝の確保を図る。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
育種
耐寒性
炭疽病
茶
抵抗性
品種
防除
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