非銘柄米産地における米のマーケティング方向

タイトル 非銘柄米産地における米のマーケティング方向
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 2000
要約 米卸売業者の意向分析から、全国知名度が低い産地の米のマーケティング展開方向として、新たに(1)消費者からも要望の強い安全性への対応、(2)ブレンド米需要への対応、という2方向が見出された。
背景・ねらい 米価の下落が続くなか、愛知県をはじめとする全国知名度の低い産地の米価の低下幅は銘柄米産地よりも大きく、独自の販売戦略による有利販売の必要性が高まっている。そこで米卸売業者及び消費者に対してアンケートを行い、非銘柄米産地のマーケティングの展開方向を解明する。
成果の内容・特徴
  1. 一般消費者の米に対するニーズとして「価格」、「おいしさ」、「健康・自然」の3項目を項目間で一対比較し、AHP分析により重要度を算出した。その結果、5つの購入元の重要度は全て「健康・自然」が最も高く、「食味」、「価格」の順に低くなった。全体としての「健康・自然」の重要度は46.8%と高く、安全性への要望が強いことがわかった(図1)。
  2. 愛知県に登録した県内外の全米卸売業者(34業者)のアンケートでは、愛知県産6品種の用途は、(1)「単品銘柄用途が多い」及び「ブレンド用途が多い」という回答の比率がほぼ同じである「あきたこまち」、「コシヒカリ」、(2)単品銘柄用途もあるものの、「ブレンド用途が多い」という回答の多い「あいちのかおり」、「ミネアサヒ」、(3)「ブレンド用途が多い」という回答の多い「葵の風」、「祭り晴」の3群に分類された(図2)。全国知名度が高い品種であることが単品銘柄として販売できる条件であり、愛知県が育成した極良食味品種はいずれも(2)及び(3)の米に分類された。
  3. 米卸売業者は「取扱総量」、「業務用米の取扱量」及び「愛知県産米の取扱量」のいずれも増やす意向であった(図3)。商材別では「安全・安心米」、「高級単品米」及び全ての「ブレンド米」で、増加の意向が強かった。一方、「県産単品米」の取扱いの意向は「増やす」と「減らす」がほぼ同じであり、「中級単品米」の取扱い意向と一致した(図4)。また、「県産米を含むブレンド米」は「増やす」という回答が多く、愛知県産米の取扱量の増加の意向(図3)はブレンド米の取扱いを増やしたい業者の意向を主に反映した結果と見なすことができる。したがって、「高級単品米」として扱われない全国知名度の低い産地米は、従来の良食味による産地銘柄化を進める他に、安全性とブレンド需要へ対応する方向が見出された。
成果の活用面・留意点
  1. 想定するマーケティングの主体は大消費地を抱える都県の経済連及び単位農協である。
  2. 今後、成果を稲作経営体へ導入する条件を明らかにする必要がある。
図表1 216392-1.gif
図表2 216392-2.gif
図表3 216392-3.gif
図表4 216392-4.gif
カテゴリ 経営管理 品種 良食味

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