タイトル |
キク白さび病に対するアシベンゾラルSメチル剤の抵抗性誘導効果 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
アシベンゾラルSメチル剤は病斑の上位伸展を明らかに抑制し、キク白さび病に対する抵抗性を誘導する。本剤を白さび病防除薬剤と組み合わせて使用することにより、防除効果の増進が期待できる。
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背景・ねらい |
キクの最重要病害であるキク白さび病は、好適な温湿度条件下では親株床から収穫時まで全生育ステージで発病が見られる。特に親株床での防除は重要で、発病株を親株とした場合、発生してくる吸枝の大半は本病に潜在感染している。このため、定植後は浸透移行性の高いEBI剤を中心とした防除が行われているが、病原菌の薬剤に対する感受性の低下が問題となっている。そこで、より安定した防除体系を確立するため、抵抗性誘導剤の利用を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- アシベンゾラルSメチル剤の株当たり2g生育期株元処理で、処理2週間後まで発病が抑制される(表1)。生育中に同剤の1,000 倍液を3回散布すると、感受性の低下しているイミベンコナゾール乳剤とほぼ同等の防除効果がある(表1)。
- アシベンゾラルSメチル粒剤、水和剤を処理すると、無処理と比較して発病葉位が低くなり、上位葉への発病抑制効果がある(表1)。
- 生育期に株当たり2gのアシベンゾラルSメチル剤を処理した後、イミベンコナゾール乳剤を散布すると、同乳剤散布より防除効果が高まる(表1)。
- 潜在感染している挿し穂をアシベンゾラルSメチル水和剤に24時間浸漬処理すると、定植後の発病が10日以上遅延し(表2)、発病抑制効果がある(表3)。また、定植10、20日後に同水和剤を散布すると、発病抑制効果がある(表3)。
- 親株床において、アシベンゾラルSメチル粒剤を定植時に2g植穴処理すると、発病抑制効果がある(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 現時点ではキク白さび病に対する農薬登録はない。
- 一般防除薬剤と組み合わせることにより、防除効果が高まる。
- すでに発病している病斑に対しては効果がない。
- 粒剤は稲育苗箱施薬用で、有効成分の溶出が抑えられているので灌水を多くして溶出を促す。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
育苗
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農薬
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薬剤
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