タイトル |
銀付着布を利用したシクラメン萎凋病対策 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
エブアンドフロー栽培において、銀付着布を事前に養液タンク内に1~2枚/t程度添加して養液中の銀濃度を高めておくことにより、シクラメン萎凋病の発病を抑制できる。
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背景・ねらい |
エブアンドフロー方式など養液を循環して利用する栽培方法が花き栽培では増加しているが、同栽培法における問題点のひとつに繰り返し利用される養液により伝搬する病原菌の蔓延があげられる。そこで、既存施設において簡易で安価に利用できる銀付着布(商品名:オクトクロス(水耕用、30cm×100cm)の有効性及び利用方法を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 銀付着布は、液肥1000倍液中での分生子の増殖抑制効果があると考えられる。また、分生子投入時に、養液中に一定の銀濃度がないと、抑制効果はみられない(表1)。
- 本資材は、PDA培地上で菌叢からの菌糸伸長を抑制する効果はない(表2)。
- タンク内に養液1t当たり1枚以上の本資材を添加することにより、シクラメン萎凋病の発生は抑えられる。1t当たり4枚添加すると、葉縁から枯れ込む薬害とみられる症状が多発する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 病原菌の侵入時に養液中の銀濃度が 50ppb以上確保されているよう、事前(栽培開始7日程度前)に銀付着布をタンク内等に添加しておく必要がある。
- 銀付着布添加量は、養液1t当たり1~2枚が適当であり、過剰な添加は薬害の原因となる。
- 養液中の銀濃度は、添加後2か月頃から減少する(図1)。試験期間中、タンク内の本資材の色は、メッキされた銀の溶出により、黒(試験開始時)から茶色(2~3か月後)に変化する。確実な発病抑制効果を得るためには、養液中の銀濃度を 50ppb程度確保する必要があると思われるので、この時期に銀付着布を交換する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
シクラメン
茶
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