なし園におけるカブリダニ類のモニタリング手法の開発

タイトル なし園におけるカブリダニ類のモニタリング手法の開発
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 2000~2002
研究担当者
発行年度 2000
要約 面ファスナーに毛糸を絡ませたトラップとツルグレン装置の組合せにより、なし園におけるカブリダニ類のモニタリング調査を行うことができる。
背景・ねらい 在来天敵の消長及び種構成を把握することは、環境保全型農業の推進において重要な課題である。交信攪乱剤の利用により減農薬化の進んだなしほ場では、各種在来天敵が保護され、害虫の密度低減に有効に働いている。
カブリダニ類はハダニ類の天敵であるが、虫体は0.2~0.4mm程度と非常に小型であり、生産現場では葉上調査、トラップ調査とも困難である。
そこで、既存の調査手法の改良と組合せにより、カブリダニ類の簡易なモニタリング手法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. トラップは、面ファスナーのフック面(8cm×2.5cm)に毛糸(極太、55cm)を絡ませたもので、Phyto-Trap(小池ら:2000)を一部改変し、毛糸面を拡大した(図1)。
  2. トラップで葉身基部を挟み事務用クリップ(ゼムクリップ・1号)で固定し、7日間ほ場に設置する。
  3. トラップからのカブリダニ類の分離(図2)
    (1)トラップをツルグレン装置に一昼夜セットし、抽出物を75%エタノール溶液に集める。ツルグレン装置の光源は40W以上の白熱電球とし、電球とトラップとの距離は約10cmとする。
    (2)エタノール溶液を濾過し、実体顕微鏡で濾紙上のカブリダニ個体数等を調査する。
  4. 既知のPhyto-Trapでは、実体顕微鏡下で直接カブリダニを分離するためトラップの毛糸面を広くすると抽出が煩雑となる。本方法では抽出後検鏡するため毛糸面を拡大でき、捕獲効率が向上する。
  5. 大量のトラップを簡易に処理できる本方法は、カブリダニ類のモニタリング手法として有効である。
成果の活用面・留意点
  1. ほ場におけるカブリダニ類の種構成、発生消長調査が簡易に行える。
  2. 生産者または生産団体等が調査を行うことが可能である。
図表1 216405-1.gif
図表2 216405-2.gif
図表3 216405-3.gif
カテゴリ 病害虫 害虫 くり 農薬 モニタリング

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