タイトル |
光反射シートと天敵の併用による施設抑制栽培ピーマンのアザミウマ類の防除 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター園芸研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
施設抑制栽培ピーマンのヒラズハナアザミウマとミカンキイロアザミウマに対して、光反射シートを外周に設置した施設へのタイリクヒメハナカメムシ株当たり0.5頭の定植2週間以内とその約10日後の2回放飼は、安定した高い防除効果がある。
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背景・ねらい |
光反射シートは、ピーマンのトマト黄化えそウイルス(TSWV)を媒介するアザミウマ類の施設への侵入を防ぐ手段として有効であるが、施設内に侵入したアザミウマ類に対しては防除効果がない。また、ヒメハナカメムシ類はアザミウマ類の天敵として有効であるが、アザミウマ類の発生量が多い時期は、防除効果が不安定になる。そこで、光反射シートと天敵の併用によって防除効果を安定化させ、化学農薬に替わる環境保全型防除技術を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 7月下旬定植の施設抑制栽培ピーマン(200m2、約200株)において、幅1mの光反射シート(タイベック白色、丸和バイオケミカル社製)の施設外周設置と、株当たり0.5頭のタイリクヒメハナカメムシ放飼の両処理を行った施設を処理区とし、両処理とも行わない施設を無処理区とした。なお、処理区及び無処理区とも殺虫剤及び殺菌剤は使用せず、2反復で行った。また、アザミウマ類成虫の野外での発生状況及び施設内への侵入状況を調査するため、黄色粘着トラップを野外及び各区の施設内の側窓部付近(粘着面は野外に向けて)に設置した。
- アザミウマ類の誘殺数は、野外では8月上旬から9月上旬にかけて、無処理区では8月が下旬から9月中下旬にかけてそれぞれ増加したのに対し、処理区では9月下旬まで少ない誘殺数で推移した(図1)。
- 施設内のピーマン花中の寄生虫数は、無処理区では8月10日から9月16日にかけて顕著に増加したが、処理区では寄生虫数の増加は見られなかった(図2)。
- 以上のことから、光反射シートとタイリクヒメハナカメムシの併用は、施設抑制栽培ピーマンのヒラズハナアザミウマとミカンキイロアザミウマに対して安定した高い防除効果があると考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
施設抑制栽培ピーマンを対象作物とし、ヒラズハナアザミウマとミカンキイロアザミウマを防除対象害虫とする。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
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カメムシ
栽培技術
農薬
ピーマン
ヒラズハナアザミウマ
防除
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