植物・濾材複合型水質浄化装置による生活雑廃水の浄化

タイトル 植物・濾材複合型水質浄化装置による生活雑廃水の浄化
担当機関 三重県科学技術振興センター
研究期間 2000~2001
研究担当者
発行年度 2000
要約 ポーラスコンクリート舛と吸着資材及び植物(パピルス)の浄化能を利用した複合型水質浄化装置を開発した。本装置はT-N4.28~8.01mgL-1T-P0.04~0.53mgL-1排水に対してT-Pでは50%以上、T-Nでは夏秋期で53%、秋冬期で19%の除去率が得られる。
背景・ねらい 近年、地域における水環境は都市化などにより悪化してきており、住民の環境に対する関心は年々高まってきている。そこで生活雑廃水の流入する排水路や小河川の水質を改善するため、植物や濾材の吸着能力を活用した複合型水質浄化装置を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 本装置は次の機能及び特徴を有する4槽で構成されている。A槽はオガクズを充填したポーラスコンクリート槽であり、SSの除去を行う。B槽は粉砕カキガラにパピルスを植栽しているバイオジオフィルター槽であり、主に無機態窒素及びリンの除去を目的とする。C槽はペレット状に加工した鹿沼土を接触濾材とした接触曝気槽で主に生物膜によるBODの除去を目的とする。D槽は粉砕木炭を充填したポーラスコンクリート槽であり、C槽で発生する汚泥などの除去を目的とする。A、D槽に利用したポーラスコンクリート舛は比重の軽い濾材の流亡防止と接触機会の均等化を目的としている(図1)。
  2. 排水路における本装置の流入水(T-N4.28~8.01mgL-1 T-P0.04~0.53mgL-1 )に対するT-Pの除去率は、期間を通じ50%以上である。一方、T-Nの除去率は外気温の影響を受け、夏秋期には平均53%が得られるが、秋冬期には平均19%に低下する。このとき、T-Pの除去速度は0.1(g/m2/day)であり、T-Nの除去速度は夏秋期で3.5(g/m2/day)、秋冬期で1.6(g/m2/day)である(表1)。
  3. 本装置に高濃度排水を流入した場合の浄化能力は、T-N、T-Pとも濃度が高いと高くなり、T-Nでは、9~13mgL-1の濃度範囲において60%程度の除去率が得られる。 一方、T-Pでは0.7~1.2mgL-1の濃度範囲において90%以上の除去率が期待できる (図2)。なお、T-N、T-Pとも主にB槽で除去されるが、C槽ではT-P、BODの除去が期待できる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 植物の窒素吸収は冬期に低下するため耐寒性の植物を活用することが望ましい。
  2. 粉砕カキガラは高いリン酸吸着能力を有するが、Caの溶出により処理水のpHが8.0以上になることがある。
図表1 216426-1.gif
図表2 216426-2.gif
図表3 216426-3.gif
図表4 216426-4.gif
カテゴリ かき 加工 耐寒性

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