タイトル |
脱窒ろ材と植物による養液栽培排水の水質浄化システムの開発 |
担当機関 |
埼玉県農林総合研究センター |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ケナフ、エンサイを植裁したゼオライトに石灰硫黄系脱窒ろ材を組み合わせた浄化水路(全長12m、幅0.3m)による養液栽培排液の浄化試験で、9~4月における無機態窒素の平均除去速度は、4.89gm-2d-1、無機態窒素の除去率は32.3%となり冬季も水質浄化機能が維持できる。
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背景・ねらい |
現在、普及している養液栽培システムは、かけ流し式が中心で環境への窒素流出が懸念されている。そこで植物(エンサイ,ケナフ等)とろ材(ゼオライトや脱窒に関与する資材)を組み合わせた浄化水路を用いて、養液栽培排液に有効な水質浄化技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 農村向け水質浄化システムとして脱窒ろ材と植物を連結した実証プラントに花き養液栽培(バラ)の排液を供給して浄化試験を行った(表1)。
- 供試した脱窒ろ材は、硫黄と石灰石の混合資材で独立栄養細菌の働きによって硝酸を窒素ガスにまで還元し脱窒するもので、以前から水処理に利用されている硫黄石灰石ろ過法を応用したものである。
- 9月~翌4月における無機態窒素の平均除去速度は、4.89gm-2d-1で、流入水の無機態窒素濃度(NO3-N+NO2-N+NH4-N)は218.6mg/L、流出水は148.1mg/L、平均流量258.2L/dであった(図1)。9~10月は、流出濃度の低下が認められない場合もあったが、11月以降は安定的に低下し、期間中の無機態窒素除去率は、32.3%であった(図2)。
- 植物系水路を流下すると、アンモニア態窒素が低減したことから、浄化水路に植物を組み合わせることで一時的に高まったNH4-Nの低減に寄与できると考えられた(図3)。
- 本システムは、低温期においても水質浄化機能を大きく損なうことがないので、実用モデルとしての発展が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 低温期は、浄化水路全体をビニルトンネル等で保温する。
- 開始時は、鉱物ろ材へ微生物の定着を図るため、排液を貯留した状態で1ヶ月程、培養期間をおく。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
エンサイ
ばら
養液栽培
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