タイトル |
コガタシマトビケラ属幼虫のフェニトロチオン感受性を利用した農薬負荷の推定 |
担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
コガタシマトビケラ属幼虫2種のフェニトロチオンに対する感受性は、河川の有機リン系殺虫剤および農薬全体の曝露量に比例して低下することが示唆された。2種のフェニトロチオン感受性は河川の農薬負荷を推定する指標として利用できる。
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背景・ねらい |
河川生態系が受ける農薬負荷を生息する生物の一時的な個体数の減少や死亡率の上昇によって農薬の影響を確認・評価するためには、継続して調査を行わなければならない。そこで、コガタシマトビケラ属幼虫の有機リン系殺虫剤に対する感受性を農薬負荷評価に利用する方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 愛知県内の河川5地点で25薬剤の残留農薬の調査を行った結果、殺虫剤ではフェニトロチオンとダイアジノンの2種の有機リン系殺虫剤を検出した(表1)。2種有機リン系殺虫剤の検出頻度および濃度が高い地点は、他の殺菌剤や除草剤の検出頻度および濃度も同様に高い傾向が見られた(表1)。
- 2.2種薬剤の検出頻度および濃度が高くなるほど、同地点で採集したコガタシマトビケラおよびナミコガタシマトビケラのフェニトロチオンに対する半数致死濃度(図1)は高い数値を示した(表2)。
- フェニトロチオンに対する半数致死濃度のおよその中央値である0.5ppm濃度の生存率は、簡易な河川の農薬負荷を推定する指標値として利用できる(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- コガタシマトビケラとナミコガタシマトビケラは農薬感受性の傾向が異なるので、区別して試験する必要がある。一般に前者は中流~下流域に、後者は上流~中流域に生息する。混生地では、同定に注意が必要である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
除草剤
農薬
薬剤
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